途上国の子どもに給食を! 国連WFPのチャリティーウォークに3900人集結

WFPウォーク・ザ・ワールドのスタート地点

飢餓と貧困の撲滅を目指す認定NPO法人「国連WFP協会」は5月18日、チャリティーイベント「WFPウォーク・ザ・ワールド」を横浜市のみなとみらい地区で開催した。途上国の子どもの飢餓をなくそう、と3879人がイベントに参加した。参加費1500円のうち1000円が寄付金になり、ゴール付近に設置された募金箱の分も合わせた寄付総額は362万6200円に上った。

ウォーク・ザ・ワールドはもともと、国際運輸サービスのTNTエクスプレス(本社:オランダ)が始めたチャリティーイベント。現在はWFPが主催している。日本では毎年1回横浜で開く。今年で9回目だ。

国連WFP(世界食糧計画=WFP、国連WFP協会の2つの団体の総称)によると、世界では現在およそ8人に1人、合計8億4200万人が飢餓で苦しんでいる。飢餓は体の免疫力を弱めてしまうため、簡単な治療で治る病気であっても命を落とす。また、途上国では5歳未満の子どもの4人に1人が発育阻害といわれている。発育阻害とは、年齢の割に身長が低いことで、慢性的な栄養不良の症状だ。

世界では6600万人の子どもが、1日に1度の食事も満足にとれずに空腹のまま学校に通っている。国連WFPは毎年、60カ国2000万人以上の子どもに学校給食を届けている。6600万人に給食を配るには年間32億ドル(約3250億円)が必要という。

今回のイベントで集まった寄付金は、国連WFPの給食プログラムに使われる。5000円で、1人の子どもに1年間栄養のある給食を提供できる。給食は、子どもが学校に通うきっかけとなり、出席率も上がる。何より子どもに栄養をつけることができる。今回の寄付金で725人の子どもに給食を届けられる。

今回のゲストで、ロンドン五輪競泳銅メダリストの寺川綾さんは、イベント参加の依頼を受けたときの気持ちを「私が来ることで少しでも力になれば。水泳のレースではこんなに人は集まらない。たくさんの人が参加してくれて驚いた。機会があれば今度は途上国を訪ねてみたい」と笑顔で語った。(加地紗弥香)