仏国営放送ラジオ・フランス・アンテルナシオナル(RFI)は11月14日、「アフリカで最も影響力のある女性10人」を発表した。選ばれたのは、政治やビジネス、学問、ファッションの分野で活躍する下の10人。
■ヌコサザナ・ドラミニ=ズマ氏(65)
南アフリカの政治家。アフリカ連合(AU)初の女性委員長に2012年に選出された(任期は4年)。医師でもあり、1990年代には故ネルソン・マンデラ元大統領のもとで保健相を務め、その後、外相、内相を歴任した。ヌコサザナ氏はまた、同国のジェイコブ・ズマ大統領の元妻でもある。ズマ大統領は、2019年の大統領選挙で、ドラミニ=ズマ氏を後継にしたいとの考えがあるともいわれている。
■エレン・ジョンソン・サーリーフ氏(76)
リベリアの大統領。選挙で選ばれたアフリカ初の女性大統領。2011年には、平和と女性の地位向上に貢献したという理由で、ノーベル平和賞を受賞した。リベリアの財務相や国連開発計画(UNDP)アフリカ局長を務めた経験もある。
■ルイーズ・ムシキワボ氏(53)
ルワンダの外務協力相。2009年から現職。政府のスポークスマンも務める。女性の地位向上を目的に2010年に誕生した国連組織「UNウィメン」の初代事務局長の候補にも挙がった。
■ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ氏(60)
ナイジェリアの財務相。経済学者。2003~06年に、ナイジェリアのオルシェグン・オバサンジョ元大統領のもとで財務相を務めた際、パリクラブ(主要債権国会議)に対する約300億ドル(現在のレートで約3兆5400億円)の国家債務を完済させた(約180億ドル=同約2兆1240億円は債務帳消し)。2007~11年は世界銀行専務理事。11年に、グッドラック・ジョナサン大統領のもとで財務相に再任された。
■イザベル・ドス・サントス氏(41)
アンゴラの実業家。同国のドス・サントス大統領の長女。米経済誌フォーブスは、イザベル氏をアフリカ初の女性億万長者とし、11月24日時点での総資産を約37億ドル(約4366億円)と推定している。ダイヤモンド、エネルギー、不動産、農産物加工など複数の事業を手がけ、アンゴラの旧宗主国ポルトガルのテレビ局や銀行、アンゴラの銀行や通信会社などの株も保有する。
■フォロルンショ・アラキジャ氏(63)
ナイジェリアの実業家。シュープリーム・スティッチズ(現在の社名はローズ・オブ・シャロン・プリンツ・アンド・プロモーションズ)という名の洋服の仕立 て会社から事業を始めた。のちにナイジェリア国内での石油掘削のライセンスを得て、ファムファ・オイルを設立、石油事業にも参入した。夫を亡くした女性や 孤児を支援する基金「ローズ・オブ・シャロン・ファンデーション」を2008年には立ち上げた。ナイジェリアのメディアによると、アラキジャ氏の総資産は約32億ドル(約3776億円)。
■ブリジット・ラデベ氏(54)
南アフリカの実業家。プラチナ、クロム、ウランなどを扱う鉱山会社ムマカウ・マイニングのトップ。南アフリカ鉱業発展協会の会長で、新アフリカ鉱業基金のメンバーでもある。また同国の紙・パルプ製造大手サッピの社外役員も務める。
■ダンビサ・モヨ氏(45)
ザンビアの経済学者。2013年には米タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた。1993~95年には、世界銀行のアドバイザーを務めた。著書「援助じゃアフリカは発展しない」「すべての富を中国が独り占めする」が邦訳されている。
■オリ・オコーラ氏(37)
ケニアの弁護士、ブロガー。ケニア議会を監視するウェブサイト「ムザレンド」(スワヒリ語で愛国者)の共同創設者。また、情報収集、可視化用のオープンソース地図アプリケーション「ウシャヒディ」(スワヒリ語で証言)の共同創設者でもある。ウシャヒディは情報収集・発信基盤として、2007年のケニア大統領選挙後の暴力行為の目撃情報の報告を集め、グーグルマップでテキスト情報と位置情報を一般の人々に提供した。ウシャヒディはまた、自然災害発生時の被災者間の連絡手段や、復興情報の提供手段としても活用されている。
■アダマ・エンディアイェ氏(36)
セネガル人を両親に、コンゴ民主共和国で生まれたファッションデザイナー。ファッションブランド「アダマ・パリ」を展開する。アフリカのデザインを広めるために、ダカール・ファッション・ウィークというファッションショーや、世界中のアフリカ系デザイナーが作品を発表するためのイベント、ブラック・ファッション・ウィークなども主催する。