食糧農業機関(FAO)は先ごろ、ミレニアム開発目標(MDGs)のターゲットのひとつ「2015年までに、飢餓に苦しむ人口の割合を1990年の水準から半減させること」をアジア太平洋地域が達成した、と発表した。同地域は90年には人口の24%が栄養不足だったが、現在は12%に半減した。
90年から現在までの25年間で、人口に占める飢餓に苦しむ人の割合(数ではない)を減らした国のランキングは下のとおり。下の12カ国はすべて「飢餓ターゲット達成国」。
1)タイ(-78.7%)
2)ミャンマー(-77.4%)
3)ベトナム(-75.8%)
4)ネパール(-65.6%)
5)インドネシア(-61.6%)
6)中国(-60.9%)
7)モルジブ(-57.6%)
8)ラオス(-56.8%)
9)カンボジア(-55.8%)
10)ソロモン諸島(-54.5%)
11)バングラデシュ(-49.9%)
12)フィリピン(-48.8%)
ターゲットを達成できなかったのはインドやアフガニスタン、モンゴルなど。北朝鮮は域内で唯一、飢餓人口率が90年比78.4%と増えた。
アジア太平洋の飢餓人口は実数で2億3600万人減ったが、依然として4億9000万人が飢餓にあえぐ。これは地域別では世界最大の数字だ。
FAOの小沼廣幸アジア太平洋事務所長は「世界では現在、十分な食料を生産しているが、農村部から都市部への移住が加速化していること、世界人口が2050年までに90億人を超えると予想されことを踏まえると、すべての人が十分に食べられるようにするという課題は一層大きなものとなる」との見方を示した。