ハノイ屈指の私立小学校は「英語重視」の教育、算数も英語で授業

私立のバンマイ小学校(ベトナム・ハノイ)

ベトナム・ハノイにある私立のバンマイ小学校は、英語重視の教育を打ち出している。3年生から算数を英語で学び始め、またTOEICも受験する。夏休みには欧米へプチ留学するプログラムがある。

算数の授業で使う教科書は米国から輸入したもの。バンマイ小学校の児童にとっては、算数を学ぶ際にまず英語で意味を理解しなくてはいけない。この学校では週に2時間の英語の授業があるが、算数を英語で学ぶことで、英語により触れることができるのがメリット。公立の小学校にはない英語教育だ。

この小学校では、児童全員が必ずTOEICを受ける。このTOEICは従来のものとは違い、初級学習者向けの「TOEIC Bridge」という試験だ。中学校に入学後はTOEFLを受ける。ファ・ティ・トゥ・フウン副校長は「ハイレベルな大学に進学するために試験を受けさせるようにしている」と意義を説明する。

夏休みには欧米に7~10日滞在するプログラムがある。毎年15~20人の児童が参加する。「このプログラムに参加するには英語が話せないとダメ」と副校長は話す。

ハノイの公立小学校では、英語以外の授業は全てベトナム語だ。教科書はベトナム語で書かれている。英語の授業以外に英語を学ぶ機会はない。公立小学校出身で法律を学ぶスー・リンクさんは「公立の小学校に通っても英語を話せるようにならない。大学に入ってから私は英語を習得した」と語った。

公立の小学校ではTOEICやTOEFLを受ける児童はあまりいない。公立校を卒業した19歳の女性は「TOEICやTOEFLは難しい。小学生が受ける試験ではない」、またホテル勤務のウェン・ジェリーさんは「今まで一度も受けたことがない」とコメントした。

公立の小学校でも英語の授業はある。英語を学ぶために、放課後に塾に通う児童も少なくない。だが、小学生の娘を持つロアンさんは「公立校の授業は不十分。だから塾で英語を勉強させている」と述べた。