外務省は3月11日、中南米5カ国で実施した「対日世論調査」の結果を発表した。これによると、日本に「親しみを感じる・どちらかというと親しみを感じる」と答えた割合は80%に達するなど、日本に良いイメージが広がっていることがわかった。調査対象はメキシコ、ブラジル、コロンビア、チリ、トリニダードトバゴで、サンプル数は1カ国当たり300~400人。期間は2014年12月~15年2月。
とくに日本に親しみを感じているのは、およそ160万人(総人口の1%弱)の日系人が暮らすブラジルだ。92%が「親しみを感じる・どちらかというと親しみを感じる」と答えた。最も低かったのは日系人がほぼいないトリニダードトバゴの45%だった。
アジアや欧米の主要13カ国の中で「最も信頼できる国」はどこか、との問いでは、日本は20%の支持を得てトップ。米国の16%やスペインの3%、ポルトガルと中国の2%を大きく上回った。
現在重要なパートナーは13カ国中どの国か、との質問(複数回答方式)に対しても、日本は33%で、米国(70%)に次ぐ2位に入った。中国は3位で29%だった。「将来」重要なパートナー国については、米国(31%)、中国(30%)を抑えて日本(42%)はトップだった。
日本のイメージで77%を占めたのは「経済力・技術力の高い国」との回答(複数回答方式)。以下、「豊かな伝統と文化を持つ国」(65%)、「国際社会においてリーダーシップを発揮する国」(38%)、「アニメ、ファッション、料理など新しい文化を発信する国」(38%)など。「民主主義、自由主義など米国と価値観を共有する国」と答えたのは6%にとどまった。
日本企業の進出については8割が「歓迎する」または「どちらかというと歓迎する」と回答するなど、肯定的にとらえられていることがわかった。歓迎する理由は「雇用機会およびより高賃金の雇用の創出」(54%)、「技術移転」(22%)、「国の経済の強化」(12%)などが多かった。
日系人の評判も芳しい。「自国の日系人が地域社会の発展のために貢献している」と答えた割合は87%にも上った。また日系人の印象(複数回答方式)は「勤勉・能率的」(53%)と「親切・礼儀正しい」(51%)が上位に並んだ。