国連児童基金(UNICEF)南スーダン事務所職員の山科真澄さんが5月21日、東京で開かれた現地報告会で登壇。南スーダンの内戦の影響で離れ離れになった親子を再会させるための活動について語った。
UNICEFは、紛争で家族とはぐれてしまった3500人の子どものうち、268人を家族と再会させた。山科さんによると、南スーダンの地域ネットワークを利用したり、職員が避難所を回って子どもとはぐれた親を見つけ、その情報を登録してデータベース上でマッチングするなどして家族探しを手伝っている。しかし、南スーダンには避難所が100カ所以上もあり、作業は難航しているという。
家族が見つかった子どもたちを親の元へ届けるまでがUNICEFの仕事だ。親子が離れた避難所にいる場合などは、旅をアレンジし、職員が同行する。1家族の再会につき、交通費など含めて12万円ほどかかる。
家族の再会に立ち会ったこともある山科さんは「家族が再会する瞬間が最もうれしい。子どもたちのあふれる笑顔を見るとすべての苦労を忘れる」と語る。
南スーダンは、2011年7月9日にスーダンから独立した世界で1番新しい国だ。人口は1083万人。人口の約53%が18歳未満の若い国でもある。13年12月に武力衝突が起き、5月6日までに約100万人が自宅を離れ、国内外へ避難している。(山尾香織)