大震災でNGOが会合、「水と燃料が足りない」

国際協力NGOセンター(JANIC)は2011年3月28日、「第3回東北関東大震災支援NGO情報交換会」を都内の早稲田奉仕園で開催した。参加したのはJANICの会員を中心におよそ50団体・社。ワールド・ビジョン・ジャパンやピースボート、ピースウィンズ・ジャパン、難民を助ける会、プラン・ジャパンなど被災地ですでに活動中のNGOだけでなく、資金を提供する側の大和証券グループ本社やソニー、味の素、トヨタ財団、博報堂などの担当者も姿を見せた。それぞれの立場から、活動の進ちょく状況や助成方針などを述べた。

2時間に及んだこの会合でNGOから出された問題点や意見・要望は以下の通り。これからボランティアとして働く人、何らかの支援を考えている団体には参考にしていただきたい。

・「給水は細々と開始されたが、質的にも量的にもまったく足りない」

・「水がないため、そうじも、洗たくもできない。衛生状態が悪くなるので、被災地全体で感染病蔓延の脅威が高まってきた」

・「水の供給が増えれば、今後、そうじ用の洗剤や用具が大量に必要になるだろう」

・「ガソリン不足が活動の妨げになっている。この問題はまだ解消されていない」

・「交通規制の撤廃により緊急車両指定の意味がなくなり、優先的に燃料を入手できる特権が失われたことも痛手」

・「燃料不足なので、物資を運んだり配ったりできないほか、ボランティアを輸送できないという問題もある」

・「NGOが調達した救援物資を運ぶのに(宅配便業者など)プロの輸送業者と手を組めれば効率もアップするのではないか」

・「新品の下着やおむつ、生理用ナプキン、つめ切りなどが足りない。物資の配給はもとより、需要と供給のマッチングが必要」

・「在宅避難者は数が多く、また散在しているうえに、孤立世帯もある。人海戦術で個別訪問しなければならないのだが、人手が足りない」

・「マンパワーを動かすにも現場の組織強化が不可欠」

・「現場レベルの情報を収集する『情報ボランティア』は大変重要になるだろう」

・「被災地ではすでに、盗難などの犯罪が日が暮れた後、発生している。日の高いうちにしか配給を行わないようNGOは注意している」

・「日々変わる被災地の状況を東京で反映させる仕組みが必要」

・「活動現場に事務所やスタッフの宿泊場所を確保したい」

情報交換会ではまた、海外の企業やNGOの担当者も出席した。シマンテックが200台のパソコンを避難所に設置したいと申し出たほか、日系米人を中核メンバーとする米国のNGO「Japan American Citizens League(JACL)」は「復興支援をお手伝いしたい。提携先NGOを探している」、アジア向け慈善団体の「Give 2 Asia」は「高齢者や障害者への支援を対象に助成したい」などと協力的な姿勢を表明した。

次回会合は4月4日(事務局 :JANIC東北関東大震災タスクチーム)となる予定。(長光大慈)