日本貿易振興機構(JETRO)は、モスクワ(ロシア)、ホーチミン(ベトナム)、ジャカルタ(インドネシア)、バンコク(タイ)、サンパウロ(ブラジル)、ドバイ(アラブ首長国連邦)の6都市を対象に、「日本食品に対する海外消費者アンケート調査」を実施し、その結果をまとめた。6都市合計で「日本料理」が「好きな外国料理1位」にあがるなど、日本食人気が浮き彫りとなった。
日本料理を一番好きな外国料理として挙げたのは6都市の回答者の38.4%。イタリア料理の15.6%、中国料理の14.0%を大きく上回った。以下、韓国料理(5.4%)、インド料理(5.1%)、アメリカ料理(4.1%)、フランス料理(4.1%)、タイ料理(2.9%)、中東・アラブ料理(1.7%)、メキシコ料理(1.2%)、スペイン料理(1.1%)、ベトナム料理(1.0%)が続く。
都市別でみると、サンパウロ、ドバイを除く4都市で、日本料理が好きな外国料理で1位となった。とりわけバンコクでは回答者の66.6%、ジャカルタでも50.4%が日本料理を一番に挙げた。サンパウロとドバイはそれぞれ2位、4位。ドバイは唯一、日本料理を一番好きと答えた人が9.4%と1ケタにとどまった。
日本食が人気の理由は、おいしくてヘルシーなこと。日本料理のイメージについて尋ねたところ、回答者の26.6%が「おいしい」、21.3%が「健康に良い」と述べた。「おしゃれ」と答えた人も9.1%。プラスの評価が圧倒的に多かった半面、マイナス面としては「価格が高い」と答えた割合が18.1%を占めた。
好きな日本料理として挙がったのは、すべての都市で「寿司・刺身」がトップ(6都市全体の35.3%)。鍋料理(タイスキ)があるタイでは「しゃぶしゃぶ」(同5.6%)や「すき焼き」(同4.6%)が人気。麺文化が根付くインドネシアでは「ラーメン」(同8.6%)、インド人居住者が多いドバイでは「カレーライス」(同5.1%)が上位に入った。これ以外では、てんぷら(同9.6%)、焼き鳥(同8.7%)、うどん(同4.5%)、たこ焼き(3.7%)、そば(同3.5%)、とんかつ(同3.3%)、牛どん(同3.0%)、お好み焼き(同2.2%)など。
調査はまた、日本産の食品を購入するうえでの問題についても質問した。買わない理由の1位となったのは「価格の高さ」。この回答はとくにバンコクで多かった。2位は「限られた販売場所」でしか売られていないこと。日本産食品の品揃えは高級スーパーマーケットほど多く、中・低所得者層向けの店舗になるにつれて減る傾向にある。3位は「食品の使い方・調理の仕方が分からない」。
このほか、原子力発電所事故の影響からモスクワでは「安全性に不安がある」との回答が目立った。イスラム教徒が多いジャカルタ、ドバイでは「宗教上問題がある」との声も少なくなかった。
アンケート調査の実施期間は2013年12月4日~18日。サンプル数は各都市500人(10~50代の男女)で合計3000人。(西森佳奈)