国連児童基金(UNICEF)と国連人口基金(UNFPA)は、アフリカ連合が先に発表した「児童婚を終わらせよう」キャンペーンを歓迎すると発表した。アフリカでは、児童婚を強いられる18歳未満の少女は3人に1人、数にして1700万人以上といわれる。この根強い習慣の根絶を目指し、政府、国連機関、NGOなどが一斉にコミットしたのは初めて。
このキャンペーンには、UNICEFやUNFPAに加えて、フォード財団、アフリカ経済委員会(UNECA)、セーブ・ザ・チルドレン、プラン・インターナショナル、アフリカ子ども政策フォーラム、英国国際開発省(DFID)なども参加する。まずは2年間、10カ国を対象に、児童婚が子どもや社会に与える影響に対する意識を高めていく。
UNICEFのマーティン・モグワンジャ事務局次長は「児童婚に(反対の)声を上げることはアフリカではためらわれていると聞いていた。アフリカ人によるアフリカ人のためのこの取り組みは、『18歳になるまで結婚しない権利』をすべての少女が享受できるまでやめてはならない」とコメントした。
世界で児童婚が最も蔓延する国は西アフリカのニジェールだ。その比率は75%にも達する。これ以外にも、チャド(68%)、中央アフリカ共和国(68%)、ギニア(63%)、モザンビーク(56%)、マリ(55%)、ブルキナファソ(52%)、南スーダン(52%)、マラウイ(50%)など、サブサハラ(サハラ砂漠以南の)アフリカが上位10カ国中9カ国を占める。
児童婚を強いられる少女の多くは、アフリカ社会で最も疎外された家庭の出身だ。UNFPA東部・南部アフリカ地域事務所のジュリッタ・オナバンジョ所長は「児童婚は、子どもたちの成長機会を奪う。この代償は、児童婚を終結させるコストをはるかに上回る」と強調。一致団結して取り組めば児童婚を終わらすことは可能だと訴えた。(堤環作)