国際協力NGOが12党のマニフェストを調査、ODA政策は「どの政党も不十分」

国際協力NGOのネットワーク団体である「動く→動かす」と「国際協力NGOセンター」(JANIC)は12月10日、16日に投開票日を迎える衆議院選挙に向け、12の政党が掲げたマニフェスト(公約)を「政府開発援助(ODA)と国際協力」の分野について調査し、その結果を公表した。(下の表はクリックすると大きくなります)

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この結果、既成政党が一定の評価に値する国際協力政策を持っている一方、「第3極」はほとんど政策を打ち出していないこと、また既成政党にしても、本来触れるべき事項に触れていないなど、不十分な点が多いことが明らかになった。

動く→動かすとJANICは「政権党が特定の分野について政策的ポジションをもっていない場合、その分野は官僚機構の取り組みに任されることになる。各党には、日本が国際社会の一員として、ODA・国際協力分野で責務を十分に果たせるよう、よりいっそうの政策努力を期待する」と指摘した。

調査方法は、ODAと国際協力にかかわる10項目についてマニフェストに記載があるかどうかを調べた。項目の詳細は以下の通り。

1)ミレニアム開発目標(MDGs)

2)ポストMDGs(MDGsの達成期限は2015年だが、それ以降の開発目標)の制定

3)ODA拠出額の増額、「0.7%目標」(ODAをGNIの0.7%にすべきという国際目標)など

4)ODA基本法の制定

5)国際協力関連省庁の一本化や「国際協力省」の設立

6)国際金融取引税など国連連帯税や革新的資金メカニズム

7)国際協力NGOやNPO、その他市民社会一般への支援策

8)地球規模課題への取り組み

9)地域別の国際協力に関する取り組み(アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、大洋州の各地域に向けた国際協力に触れているか)

10)分野別の国際協力に関する取り組み(基礎保健、基礎教育、ジェンダー、貧困・飢餓、水・衛生、防災、緊急人道支援、脆弱性を抱えた人々に対する支援などの国際協力についての記述があるか)