外務省は3月25日、日本や日本人のことをブラジル人はどう思っているのかをまとめた対日世論調査の結果を発表した。この調査は今回で4回目。ブラジルの24州53都市で暮らす16歳以上の600人を対象に、面談によるヒアリングを実施した。期間は2月21~25日。概要は下のとおり。
【日本とブラジルの関係】
・78%が両国の関係を「良好」または「どちらかといえば良好」と回答。84%は「ブラジルにとって日本の重要性は今後高まる」または「どちらかといえば高まる」と答えた。
・「日系人はブラジル社会に貢献している」、「どちらかというと貢献している」と答えたのは81%。また、在日ブラジル人が両国関係の強化に役立っているかについて、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えたのは77%だった。
【日本への関心】
・ブラジルにとって将来重要な国はどこかと尋ねたところ(複数回答)、日本(50%)は、米国(59%)に次ぐ2位だった。3位は中国(32%)。また、最も親しみをもてる国としては、米国(21%)、ポルトガル(14%)、イタリア(10%)に次いで日本は4位(9%)。
・ブラジルが日本に期待することは何か、との問い(複数回答)に対しては、技術移転(42%)、ブラジル産品の輸入拡大(39%)、工場設立による雇用の増大(38%)、投資(21%)、日本製品の輸出(21%)の順。
・ブラジルの発展のために必要な科学技術導入の手本となる国はどこか、との問いでは、日本はトップ(40%)。米国(19%)を上回った。最も適当な留学先としては、米国(43%)に次いで日本は2位(11%)。英国(9%)やフランス(7%)、ドイツ(6%)より上だった。
・「日本に親しみを感じる」「どちらかというと親しみを感じる」と答えたのは75%。その理由(複数回答)は、発展している国だから(56%)、日本製品への信頼(30%)、歴史と伝統文化があるから(29%)、ブラジルの発展への貢献(21%)など。
・日本への関心分野(複数回答)として高かったのは、科学技術(53%)、武道(33%)、建築・日本庭園(32%)、日本食(26%)、伝統文化(23%)など。
・「日本に親しみを感じない」「どちらかというと親しみを感じない」と答えたのは23%。その理由(複数回答)は、日本のことをよく知らない(10%)、文化が違う(7%)、遠い(7%)など。
【日本人・日系人のイメージ】
・日本人のイメージは、勤勉・能率的(20%)、集団・閉鎖的(16%)、計算高い(17%)、礼儀正しい・親切(10%)、正直(9%)、信頼できる(8%)の順。
・日系人のイメージは、勤勉・能率的(17%)、礼儀正しい・親切(16%)、正直で約束を守る(16%)など。
【環境への取り組み】
・地球規模課題への日本の取り組み(複数回答)については、環境保護(42%)、持続可能な社会づくり(32%)、防災への取り組み支援(31%)などがブラジル人に認識されていることがわかった。