チベット フェスティバルが開幕、目玉は仮面舞踏「チャム」

高らかな声で歌うチベットの歌姫パッサン・ドルマらによるミニコンサート

「チベット フェスティバル トウキョウ」が5月1日、東京・文京の護国寺で6日までの日程で始まった。日本で開かれるチベットの祭りとしては、過去最大の規模。チベットから、僧侶24人のほか、彫刻師や洋裁師、料理人、音楽家を招いている。

目玉は、チャムと呼ばれるチベットの仮面舞踏の公演だ。毎日午後6~7時に開かれる。拝観券は3000円(フェスティバルへの入場料は無料)。

チャムは、チベットの年暮れには欠かせない仏教儀式。読経、ラッパ、シンバル、太鼓などの伴奏と合わせ、修行を積んだ僧侶たちが色鮮やかな美しい衣装を身にまとい、本尊となって舞う。チベットでは大晦日の朝に、家族そろって寺院に出向き、チャムを見るのが習わし。チャムを見れば、仏のご加護が得られるという。

フェスティバルのチャムは、デジタル・アート映像を組み合わせ、護国寺の本堂に投影する光のまんだら「デジタル掛け軸」とコラボレーションする。初日の公演は雨にもかかわらず、観客は、色彩豊かで神聖なステージに息をのんだ。舞や伴奏はもちろん、演目ごとに変わる衣装や仮面にも注目だ。

このほか、気の遠くなるような繊細な工程で作られる砂曼荼羅(まんだら)の制作プロセスの様子、チベットの歌姫パッサン・ドルマらによるミニコンサート、チベット仏教美術展、チベット民族ドレスや雑貨の展示・販売、チベット関連の書籍・CDの販売、チベットの専門家たちによるトークショー、バター茶やテントゥク(すいとん)などチベット料理の販売など、見どころは満載。(田中美有紀)