「第3回アジア海外就職フェア・イン・セブ」(主催:グローバル人材塾、ゼスト、共催:ユナイテッドリグロース)が2013年6月30日、フィリピンのセブで開催された。企業側で参加したのは、ソフトウェア会社やブライダル撮影会社、人材コンサルティング会社など7社。求職者側は、セブで英語を学ぶ日本人留学生ら約70人。
フェアでは、セブの来場者と、ベトナム、インドネシア、タイで実際に働く日本人をスカイプで結び、生の声を聞けるプログラムを用意した。触発された求職者らは企業ブースを積極的に訪問し、エントリーシートを提出。自らの長所をアピールしていた。
企業はどんな人材を求めているのだろうか。取引先の7割が日本企業というフィリピン資本のソフトウェア会社アライアンスのジャパンプロジェクトディレクター、山口伸雄さんは語る。
「まずはスキル。プロジェクトを管轄してもらうので、リーダーシップをもち、フィリピン人をマネージメントできる人材が欲しい。英語力は、フィリピンで働いてから伸ばすことができる」
飲食業界の人材を専門に扱うコンサルティング会社キイストンの採用プランナー、脇山衡平さんは「すばり人間力。海外展開を視野に入れている飲食会社がクライアントなので、高いサービス力を現地スタッフに浸透させられる人材を求めている」。
内需の縮小傾向を背景に、東南アジアで商機を模索したり、業務のアウトソーシングでコスト削減を目指す日本企業は増えている。こうした動きと軌を一にして、現地でマネージャーレベルとして働ける日本人の需要は高まっている。海外就職というとハードルが高そうに見えなくもないが、企業が求める人材は、日本国内とそう変わらない。
企画者のひとり、ユナイテッドリグロース代表の呉宗樹さんは「世界がボーダレス化していく中で『就職』の形も変わってきた。仕事のフィールドが世界という流れは今後も加速する。海外で働いた経験をもつ日本人が増え、帰国すると、日本社会に新たな風を吹き込むのではないか」と話す。(フィリピン・セブ=後藤陽)