日清カップヌードルがコロンビアにお目見え! 地鶏味など110円

日清食品ホールディングスは8月22日、南米コロンビアで8月からインスタントラーメンの販売を開始した、と発表した。同社が南米で事業を展開するのはブラジル、アルゼンチンに次ぐ3カ国目。3月には、100%出資で現地法人「コロンビア日清」を設立していた。資本金は約107億ペソ(約5億8000万円)

市場に投入するのは、カップめん(製品名カップヌードル)と袋めん(同ニッシン)の両方。フレーバーは、地鶏味(ガジーナ)、チキン味(ポジョ)、ビーフ味(カルネ)の3つをラインアップした。価格は、カップめんで2000~2500ペソ(110~140円)、袋めんは1000~1500ペソ(55~85円)だ。

カップめんのめんは、短くカットした「チョップ麺」を採用。コロンビアではスープに入った長い麺を食べる習慣がないためで、スプーンでスープと一緒にすくえるよう工夫した。また、お湯をかける以外に、電子レンジでの調理も可能になっている。

コロンビア向けに開発した製品は当面、アメリカ日清から輸入して販売する。コロンビアと米国は自由貿易協定(FTA)を締結しており、関税はかからない。

日清食品ホールディングスによると、コロンビアにはインスタントラーメンを製造する会社がない。このため市場はまだ形成されていないが、同社は、人口の多さや好調な経済、伝統的な食文化などから、コロンビアがもつインスタントラーメンの潜在需要は高いと判断。将来的には年間4億食を超える市場になると見込む。

コロンビアの人口は約4600万人。南米ではブラジルに次いで2番目に多い。出生率も高く、2020年までに5000万人を超えると予測される。

また近年はネックだった治安も改善され、それに伴い、経済も堅調に伸長中。コロンビアの国内総生産(GDP)は数年後にアルゼンチンを抜き、南米2位に躍り出るとの見方が大勢だ。さらに、平均年齢が約30歳と若く、1人当たりGDP(名目)が7000ドル(約69万円)以上と個人消費も活発化している。

コロンビアでは、パスタなどの麺食文化が普及していること、スープ文化(アヒアコやサンコチョ)も存在していることが大きな意味をもつ。都市部ではライフスタイルが変化し、食事に「簡便性」が求められつつある中、インスタントラーメンの需要は十分掘り起こせそうだ。

インスタントラーメンの世界総需要は年を追うごとに増えている。12年に1000億食を突破したが、その成長を牽引しているのは南米諸国だ。同社はこれまで、ブラジルに現地法人を保有し、ブラジルとアルゼンチンのみで事業を展開してきたが、コロンビアを拠点に南米西海岸にも進出する。

13年4月に発表した「日清食品グループ 中期経営計画2015」の中で同社は、15年に約1000億円の海外売上高を目標として掲げている。