10月15日午前8時12分にフィリピン中部で発生したマグニチュード7.2の大地震の被害が拡大している。米国地質調査所(USGS)の発表によると、震源地は、セブ島の隣のボホール島南部。
地元メディアによると、死者は、震源地のボホール島の57人をはじめ、観光地のセブ島でも9人、シキホール島1人。行方不明者は多数。負傷者は少なくとも164人。ボホール、セブ両島ではいまもなお救助作業が続いている。
セブ島では、コールセンターなどBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業の集積地ITパークで、いまだに半分以上のビルが安全を確認している最中で、立ち入り禁止となっている。
セブ市の中心部コロン地区にある観光名所で、カトリック教徒にとって信仰の場であるサントニーニョ教会も一部が崩落。現在は立ち入り禁止となっている。コロン地区は古い建物が立ち並ぶが、安全確認中で、多くは閉まったままだ。
セブ市の基幹病院であるセブシティ・メディカルセンター(CCMC)は、市の職員と連携し、被災者の対応に追われている。CCMCが対応した患者の数は15日130人、16日は正午の時点で120人。がれきや物が崩れ落ちたときの外傷を負った人がほとんどで、重傷者はCCMCには少ないという。患者の大半は患部を一時的に治療し、自宅に帰っている。
CCMCのボランティアチーフのミシェルさんは「CCMCは建物が古く、倒壊のおそれもあるから、建物の中に入れない。地震前からの入院患者らは外で過ごさざるをえなく、また重傷者は受け入れられない状況だ。水も食べ物も足りない。人手も足りてない。私たちだけでは対応仕切れない」と訴えている。
ただ、セブ島よりボホール島の被害のほうがはるかに深刻とみられる。(フィリピン・セブ=後藤陽)