途上国の女性起業家を応援できる債券! IFCと大和証券グループが販売

世界銀行グループの国際金融公社(IFC)と大和証券グループは10月24日、途上国の女性起業家を応援する債券「女性の力 応援ボンド」を発行・販売する、と発表した。女性をテーマとした債券を、国際機関が発行するのも、また日本で売られるのも今回が初めて。この債券で調達した資金をIFCは、女性起業家または「女性が所有する企業」向けの金融サービスを拡大している金融機関への融資に充てる。

IFCによると、女性が所有する企業の定義は「女性が資本の51%以上を保有すること」または「女性が20%以上の資本を保有し、少なくとも1つの上級経営幹部職(最高経営責任者、最高執行責任者、社長・会長、副社長・副会長など)に女性が就き、そのうえで取締役会の議席の30%以上を女性が占めること」。

多くの新興国ではいま、男性を上回る勢いで、女性がビジネスを立ち上げている。女性がオーナーや社長を務める企業はいまや、世界の3割を超えるという。ところがこうした企業のなかで、銀行から融資を受けられるのは5~10%に過ぎない。

女性支援は大きなメリットを秘める。女性の起業家が金融サービスをもっと利用できるようになれば、女性の潜在的な力を最大限に生かすことができ、ひいては雇用創出と経済成長に大きく貢献するからだ。

女性への支援を拡大する重要性を認識するIFCは2010年末から、「女性向け金融サービス事業」に着手。東欧や東アジア、アフリカ、ラテンアメリカで、女性が経営する中小企業を対象に20を超える投融資やアドバイザリーサービスを提供してきた。そのポートフォリオは7億ドル(約690億円)に迫る規模になっている。

ジンドン・フアIFC副総裁は「世界の人口の半分は女性。女性の活躍がなければ、持続可能な世界の実現・繁栄は考えられない。IFCは、女性が社会へ進出することを促進している」と述べた。

また大和証券グループ本社の高橋昭夫執行役副社長も「世界中で女性のエンパワーメント推進の動きが近年見られるようになった。だが特に途上国の女性は、限られた資金アクセスや情報不足など、さまざまな問題に直面している。証券会社の役割のひとつは、金融機能を通じて社会に貢献すること」と話す。