「車で遊ぶ時代がやって来る」、中古車天国ミャンマーに車整備工場設立

9月のオープンに向けて準備を進める車整備工場

クラクションの音が鳴り止まない。ごった返す車を華麗にかわすタクシー運転手のテクニック。ここはミャンマー・ヤンゴンだ。走っている車の9割は中古車で、しかもほとんどは日本車だ。

経済成長めまぐるしいヤンゴンで新たな事業を立ち上げようとしている企業がある。GOLDEN JDA AUTO SERVICEだ。日本とミャンマーの合弁企業で、2015年の9月から自動車整備工場を経営する予定。売上目標は工賃だけで1年以内に1カ月あたり170万円で、従業員は4~5人という小規模体制からスタートし、事業を拡大していくという。

現在の整備の対象は主に中古車。最初は中間層をターゲットとし、いずれは富裕層も取り込んでいく。修理だけでなく、「コーティング」も請け負う考えだ。コーティングとは、車の塗装の上にガラス系の皮膜を作り、美しいボディを持続させるもの。このサービスはオプション。中間・富裕層の需要を取り込んだものだ。

GOLDEN JDA AUTO SERVICE日本側責任者の水谷滋さん(46歳)は次のように語る。「車は今までは運搬の手段だったが、これからは車で遊ぶ時代が来る」。綺麗で、乗り心地の良い車に乗ってドライブするように、経済の発展とともにそのニーズが変わってくる。ここにコーティングの需要が発生すると彼は考える。

ミャンマーでは11年の民主化以降、圧倒的なスピードで経済発展している。その規模は、国際通貨基金(IMF)の推計で、15年4月の時点で実質GDP成長率8.3%を誇るほどだ。同じ指標でのタイの成長率が3.7%であるから、2倍以上ということがわかる。ミャンマーで「走り屋」たちが羽振りを利かすのはそう遠くないかもしれない。