甘党フィリピン人に「抹茶しるこサンド」はウケるか? 「甘さ控えめ」志向が広がる!?

抹茶しるこサンドを手にするフィリピン人女性(セブ)

「甘いもの大好き大国」といわれるフィリピンで、甘さ控えめの抹茶菓子は売れるのか。「キットカット抹茶」と「抹茶しるこサンド」のどちらが好きか、フィリピン・セブの住民38人に聞いたところ、結果は、22対16でキットカットが勝った。ただ注目すべきは、知名度に雲泥の差があるにもかかわらず、意外と接戦だったこと。抹茶しるこサンドを支持した人の多くが「甘さが控えめだから」と健康への配慮を好きな理由に挙げた。

この調査に使った「抹茶しるこサンド」(1袋当たりメーカー希望小売価格220円)とは、あずきと抹茶を挟んだ、一口サイズのビスケット菓子。チョコレート菓子に比べると甘くない。東海地方を中心とするローカルなお菓子で、フィリピンでの販売はまだ。製造元は、愛知県の松永製菓だ。

比較対象は、ネスレの「キットカットミニ抹茶」。セブ最大のショッピングセンター「アヤラモール」やコンビニでも1袋300ペソ(約779円)で売られている。セブの中間層にとってメジャーなお菓子だ。

キットカットを好む人の多くは「しるこサンドより甘いから」「キットカットは一般的なブランドだから」と回答。日系企業で働くラーラさん(29歳、女性)は「しるこサンドもおいしい。だけどキットカットはもっと甘いから好き」と話した。チョコレート好きを自認する大学生のライリーさん(19歳、男性)は「キットカットはフィリピンで一般的なお菓子。だから好き」と説明する。

一方で、しるこサンドを選んだ16人中10人が「キットカットより甘くないこと」を好きな理由に挙げた。ジュリエットさん(60歳、女性)は「自分はもう高齢だから、甘すぎないお菓子がいい」。ホテルの警備員の男性も「ビスケットなので満腹感を得られるうえに、キットカットに比べ甘すぎず、健康的に感じる」と述べた。

キットカットの欠点をあえて探ると、第一に、庶民にとっては高級品で、貧困層は買えないこと。第二に、フィリピンは高温多湿のため、チョコレートが溶けやすいという問題がある。

これに対してしるこサンドはどうか。値段については、100グラム(1袋8個入り)の小分け版を販売しているため、庶民にとって買いやすいといえる。ただ4袋(32個)で170円する。コーヒーにあう甘すぎないお菓子が好きというドゥゼンさん(45歳・男性)は「40個入りで50ペソ(約128円)なら買ってもいい」と話す。

経済成長とともに健康ブームが到来すれば、フィリピン人の間で「甘さ控えめで、溶けないお菓子」が人気となるのか。しるこサンドはいずれ、フィリピンのコンビニの棚に並ぶのかもしれない。