セブの子ども向けシェルター施設、運営を支えるのは「外国人インターン」!

フィリピン・セブの子ども向けシェルター施設「チルドレン・オブ・セブ・ファンデーション」の入り口。外観は立派だった

「職員を雇うには資金が必要。インターンシップに頼らざるを得ない」。フィリピン・セブにある子どものシェルター施設「チルドレン・オブ・セブ・ファンデーション」のプログラムコーディネーター、レデントール・エー・ベティッドさんは悩みをこう打ち明ける。

この施設で働く職員は8人。衣食住から教育・衛生面まで、常時30~40人の子どもたちの面倒を見るには人員が足りない。そこでこの施設は、6カ月単位で外国人を対象とするインターンシップ制度を取り入れ、子どもたちのサポートをしている。

シェルター施設で現在働くインターンは8人。人数に制限はなく、やる気のある人であれば誰でも受け入れるという。インターンのほとんどは大学生。出身国別で最も多いのはデンマークで、シェルター施設と契約する業者の紹介を受けてセブへやってくる。

インターンのアンナさんもデンマーク出身の大学生だ。インターン先を探していたところ、長期滞在するなら自国から離れた場所に行きたいと思い、フィリピンのセブに決めたという。

シェルター施設から、オプションとして寝泊まりできる部屋や食事が提供されるが、ほとんどの外国人インターンは衛生面に気を使い、近くのアパートを借りて住む。6カ月の滞在でインターンへの報酬は1カ月平均2000ペソ(約4900円)。職員のアルティラ・ボロさんは「ほとんどボランティアで回しているようなもの。若くてパワフルな学生が来てくれて本当に助かっている」と話す。

インターンの主な業務は4つある。幼い子どもたちと遊ぶこと、勉強を教えること、アクティビティを企画・実施すること、子どもたちの健康・衛生面を管理することだ。

勉強できる段階ではない幼児は絵を描いたり、中庭で遊んだり、映画をみたりして過ごす。小学校に通う子どもたちと同じ年齢になると、英語の授業や、インターンとソーシャルワーカーが考えたアクティビティに取り組む。

アクティビティの内容は多種多様だ。水泳やバスケットボールなど子どもたちに人気のスポーツをすることもあれば、歯医者や病院でメディカルチェックをしてもらうこともある。「この施設で一番大きな問題は衛生面。外から帰ってきたら手を洗う、ご飯を食べた後に歯を磨くなど基本的なことから徹底させる必要がある」とアンナさんは言う。

セブでのインターンについてアンナさんは「自分が住んでいる国とは全く違う環境。最初は戸惑いの毎日だった。子どもたちの笑顔に支えられている。子どもたちとうまくコミュニケーションが取れるようにセブアノ(セブ語)の勉強を頑張りたい」と語る。