TICAD VIのサイドイベントで安倍首相が演説、「日本はユニバーサル・ヘルス・カバレッジに貢献する」

第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)のサイドイベントで演説する安倍晋三首相(ナイロビのケニヤッタ国際会議場)

第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)の開幕に先立ち、ケニア保健省と世界銀行は8月26日午後、アフリカでの保健医療の普及について議論するTICAD VIサイドイベント「UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ) in Africa」をケニアの首都ナイロビのケニヤッタ国際会議場(KICC)で開いた。イベントの冒頭で安倍晋三首相は演説し、「アフリカでのUHCの達成に日本は積極的に貢献していく」と述べた。

UHCとは、すべての人が適切な健康増進、予防、治療などのサービスを支払い可能な費用で受けられることを指す。

演説の中で安倍首相は、西アフリカのリベリア、ギニア、シエラレオネなどで蔓延したエボラ出血熱に触れ、「強じんな保健システムを構築する重要性が改めて浮き彫りになった」と説明。アフリカの首脳とともに、アフリカ各国の保健システムを強化する決意を示した。

安倍首相はまた、5月のG7伊勢志摩サミットでもUHCを議題に上げたことについて「G7サミットでUHCに光を当てたのは、日本が初めて。日本政府はUHCを推進する議論を主導してきた。保健システムを強化するのはその国の人。日本はUHCの拡充に向け、政策・制度改革や政策課題ごとの人づくりを支援する」と表明した。

UHCの達成は、国連が2015年9月に採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」が掲げる目標の一つでもある。日本政府は、2013年に横浜で開催された第5回アフリカ開発会議(TICAD V)でもUHCへの貢献を打ち出している。TICAD VIでも、UHCは重要なテーマの一つで、本会議やサイドイベントで議論される予定。