栗山自動車がジンバブエの中古トラック市場に殴り込み!? 年間300台超を輸出へ

栗山自動車のストックヤード(自動車置き場)を視察し、中古トラックの整備の仕方について説明を受けるジンバブエのマシャヤモンベ議員とリバーバレープロパティーズのデュベCEO(千葉県で)

中古トラック販売の栗山自動車(東京・江戸川)が、アフリカ南部の内陸国ジンバブエに年間300台超の中古トラックを輸出する計画を進めている。取引先は、ジンバブエ政府系企業のリバーバレープロパティーズ。すでに基本合意書を交わしており、正式に決まれば、栗山自動車にとってはアフリカ市場開拓の大きな一歩となる。

取引の話が舞い込んだのは6月のこと。東京で開かれた「SADC(南部アフリカ開発共同体)-日本 ビジネス投資フォーラム」に栗山自動車海外事業部の中嶋謙次係長が参加したところ、ジンバブエのマシャヤモンベ議員と出会った。

マシャヤモンベ議員はこの後、リバーバレープロパティーズのデュベ最高経営責任者(CEO)とともに、栗山自動車の千葉支店とストックヤード(自動車置き場)を視察。2人は、小型から大型までのトラックの写真を撮りながら「このトラックはいくらなのか。関税などを含め、トータルではいくらか」などと中嶋係長を質問攻めにした。

中嶋係長は、販売前の整備作業現場も案内。日本国内向けには、古い塗装を塗りつぶしたり、錆をきれいに落として売ると説明。これに対してマシャヤモンベ議員は「ジンバブエ向けにはそこまでする必要はない。運転機能に不備がなければ構わない」と応じた。南部アフリカの中古車市場は現在、日本のビィ・フォアード(東京・調布)がほぼ独占している状態。中古トラックを日本から輸入し、ジンバブエ国内でそれを売りたいリバーバレープロパティーズとしては可能な限りコストダウンして価格面で対抗したい考えだ。

リバーバレープロパティーズは社名のとおり、不動産や土地改良が専門。「中古車を販売するのは初めて。だが国家プロジェクトとして力を入れていく」とデュベCEOは意気込む。ジンバブエ商工省の承認を受け、同社の関連会社として、中古車販売を手がける新会社タブカモーターズはすでに設立済みだ。

マシャヤモンベ議員は「ジンバブエの産業を活性化させるためにも、この事業を成功させたい。農業を発展させるにもトラックでの輸送がカギとなる」と相乗効果への期待を膨らます。

ケニアのナイロビで8月27日に開幕した第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)でもジンバブエのムガベ大統領は「SADCと日本のパートナーシップをはじめ、日本とアフリカの関係をさらに強化し、持続可能な開発につなげていきたい」とスピーチした。

TICAD VIでジンバブエと日本のパートナーシップについて語るジンバブエのムガベ大統領(ケニア・ナイロビ)

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