第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)閉幕後の記者会見で話す安倍晋三首相(ケニア・ナイロビ)
ケニアの首都ナイロビで開かれ、日本政府が主導してアフリカの発展について話し合う国際会議「第6回アフリカ開発会議」(TICAD VI)」が8月28日午後、閉幕した。閉幕後に開かれた共同記者会見で安倍首相は「日本政府はアフリカ自身が主導する発展を支援していく」と述べ、今後のアフリカ支援でアフリカのオーナーシップ(参画意識)を尊重する意向を示した。
安倍首相は会見で「アフリカがこれまで以上に成長していくためには、民間の活力が不可欠だ。日本は官民をあげて、アフリカ自身が主導する発展を支援していく」と表明。そのために、日本の閣僚や経済団体、企業のトップが3年に1度アフリカを訪問し、経済発展の課題について議論する「日アフリカ官民経済フォーラム」を、アフリカの成長支援の重要なメカニズムとして打ち出した。
安倍首相はまた、8月27日に表明した今後3年間にアフリカに供与する官民総額3兆円の支援について「あらゆる方面から非常に高い評価を受けた」と強調。そのうえで「日本は約束を守る国だ。宣言はすべて実行する」と決意を示した。
日本政府やアフリカ連合(AU)を含むTICAD VIの共同開催者は、TICAD VIの成果文書として「ナイロビ宣言」を採択。TICAD VIのテーマであるアフリカの産業開発、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成、社会の安定化などを達成目標に盛り込んだ。また、宣言の実現のために「ナイロビ実施計画」を取りまとめ、具体的方策を示した。
今回アフリカで初開催されたTICAD VIには、日本とアフリカを合わせ1万人以上が出席。安倍首相は「次は3年後、再び日本で会いましょう」と述べ、記者会見を終えた。