「毎日少しずつさまざまな知識を得ていくのが楽しい」。そう語るのは、大学1年生で、ミャンマー・ヤンゴン市西部にある寺子屋にも通うピューピューシン(18)さんだ。ミャンマーでは入学試験の点数が低かった場合、普通の大学ではなく、通信制の大学に進学することが多い。ピューさんは試験の点数が足りなかったため、通信制の大学に進学。同時に寺子屋で語学の習得に励み、輸出ビジネスを手がけるという夢を追っている。
ピューさんの通う寺子屋の名前はマノラマ。そこでは学生から社会人まで幅広い年代の人たちが語学やPCスキルを学ぶことができる。ピューさんはマノラマで、英語とドイツ語、タイ語の3カ国語を勉強する。月・火曜日に英語、木・金曜日にドイツ語、土・日曜日にタイ語の授業があり、授業時間は朝7時から8時半までの1時間半。授業料は無料だ。
週6回の授業を受けるピューさんの生活はハードだ。例えば英語の授業がある月曜日は、朝5時10分に起床して朝食を食べた後、6時50分まで自宅で勉強。7時から8時半までマノラマで英語の授業を受け、授業が終わってから11時まではマノラマの近くにある薬局でアルバイトをする。正午からは大学の勉強をし、午後4時から再びアルバイトして、帰宅するのは夜の9時以降だ。勉強とアルバイトに追われて大変そうにみえるが「幸せだ」とピューさんは答える。
マノラマはピューさんにとって再挑戦の場だ。普通の大学には入れなかったが、マノラマが提供する無料授業というチャンスを生かそうとしている。「毎日勉強していて、無駄な時間は使っていない」
そんなピューさんの将来の夢は輸出ビジネスを立ち上げることだ。「将来は、両親が商売をしているラペットウ(発行させた茶葉にさまざまな食材やオイルを和えたミャンマーの伝統的な食べ物)を輸出して世界に広げたい。そのために、多くの言語を身につける必要がある。今は英語、ドイツ語、タイ語の授業をとっていて忙しいけれど、今後は中国語と日本語も勉強したい」と語る。