ベトナム人OLがヤンゴンで英語教師! 子どもの熱意に押され「貧しい子どもを教え続けたい」

「ベトナムの貧しい村で子どもたちに英語を教えることが夢」と生き生きと語るジョーさん。ミャンマー・ヤンゴンの僧院学校で

「ヤンゴンの子どもたちはやる気に満ちていて、楽しそうに授業を受けてくれる。彼らの笑顔を見ていると私も嬉しくなって、もっと何かしてあげたいと思う」。こう語るのは、ミャンマー・ヤンゴン市北部ミンガラドン地区のザブエー僧院学校とシュエミンウン僧院学校で8月からボランティアで英語教師をしている、ベトナム・ホーチミン市出身のジョー・シウさん(25歳)だ。将来の目標は、ベトナムの貧しい村で子どもたちに英語教えることだ。

ジョーさんは、平日はザブエー僧院学校で英語の授業を担当し、月曜日と火曜日の夕方はシュエミンウン僧院学校で7~16歳の若い僧侶向けに英語を教えている。指定の教材がないため、ジョーさんは主に英語の歌を教材として使う。歌に出てくるいくつかの単語を絵で説明した後、ジョーさんが歌い、子どもたちも真似する。彼らは歌うというよりむしろ叫んでいる。学校にはインターネット環境やオーディオ機器がないため、ジョーさんはあらかじめ歌詞とメロディーを覚え、自分で歌うしかないのだ。「準備は大変だけど、子どもたちのことを考えると苦にならない。常に子どもたちが楽しんで英語を学べるように心がけている。彼らは何よりも歌うのが大好きなの」と笑顔で語る。

歌で英語を教えようと思ったきっかけは、活動先の学校を訪れた初日に、子どもたちの英語力の低さに驚いたからだ。「通常なら時制の文法まで知っている学年でも日常会話すらできなかった。ミャンマーの教授法は依然として遅れている」とジョーさんは話す。

ヤンゴンに来るまでジョーさんは、ベトナムのコカ・コーラのマーケティング部で働いていた。職場環境は良かったが、「一度しかない人生で有意義なことをやりたい」という強い思いがかねてからあった。そこで、インターネットでミャンマーの英語教師ボランティアを募集していることを知り、家族や恋人の反対を押し切って、会社を辞めてミャンマーに渡ることを決意した。

ジョーさんは、実は大学時代に英語の教員免許を取得した。夏休みにベトナムの貧しい人たちに英語を教えるボランティア活動をしていた経験もある。活動を通して教師の仕事は大変だとわかったため、教師の道は選ばなかった。しかし、いま「ミャンマーで熱心に英語を勉強する子どもたちを見て、(ベトナムやミャンマーなどの)貧しい子どもたちに英語を教えてあげたいと思うようになった」と言う。

9月末にベトナムに帰国した後は、1年ほど働いてお金を貯め、貧しい子どもたちのために英語の授業を再びしたいと考えている。夢は、ベトナムの貧しい村で子どもたちに英語を教えることだ。