ミャンマー人男性は韓国ドラマに飽きている――。ミャンマー・ヤンゴンの人民公園とカンドーヂ湖で20代の男性20人にアンケート調査したところ、12人が「韓国ドラマよりもアクションドラマを見る方が好きだ」と回答した。2002年ごろから続く「韓流ブーム」だが、女性がいまだに熱中する一方で、男性は「もう十分だ」と口をそろえる。
ミャンマー人の男性が女性と比べ、韓国ドラマに興味をもてない最大の理由は、ドラマに登場する女優に魅力を感じないからだ。ロンジーを着る女性とミニスカートをはく女性のどちらが好みか、と質問したところ、20人全員が「ロンジーの女性」と答えた。髪の色や化粧についても「西洋的ではなく、黒髪ストレートでタナカを塗っている人のほうがエレガントで美しい」との意見で全員が一致した。
ロンジー・黒髪ストレート・タナカに魅力を感じる理由についてジージャーライさん(20)は「僕たちはミャンマー人。韓国人のように無理になろうとしても似合わない。ミャンマー人に合っているのは昔からのスタイル」と話す。
韓国ドラマのほとんどはラブストーリーであることも、ミャンマー人男性にとっては興味をひかない。一度見れば満足してしまう。ジョージンコーさん(20)は「最近放送されている韓国ドラマは似たようなラブストーリーばかり。面白くない。アクションドラマはどの国の作品もとても新鮮で刺激的だ」と説明する。
ミャンマーのテレビ局は平日休日関係なく毎日、韓国ドラマを放送する。どのドラマも常に視聴率は高く、20%を超えることも少なくない。韓国系企業の工場で働くジンコーウィンさん(25)は「ミャンマーでは朝から晩まで韓国ドラマが流れている。韓国ドラマを目にすることは日常の一部だ」と話す。
ミャンマーで韓国ドラマの放送が多い理由は2つある。1つは、若い女性から絶大な支持を得ているということだ。その理由は、韓国人俳優の容姿や服装(ファッション)、ストーリー性にある。韓国ドラマを熱心に見る若い世代はおしゃれ意識が高く、ファッションを研究するために見ているという女性も多い。ハンサムな俳優が主人公を務める作品やラブストーリーは特に人気だ。
2つ目は、制作サイドの事情だ。テレビ局にとって、ミャンマー国内でドラマを作るよりも、韓国ドラマを買い付ける方が安上がりということ。また、ドラマを制作する人材が不足しているため、自国の番組だけでは放送スケジュールを埋めることはできない。若者を中心にミャンマー人男性はアクションドラマの放送拡大を希望しているが、現時点で韓国ドラマの放送を減らすことは難しい。