貧しい夫婦を救ったのは「ごみ」? インドの協同組合SWaCHのウェイストピッカーは安定収入を得られる!

インド・プネーのスラムでごみを分別回収するパンドゥランさん(右)と妻のマヤさん

「今の仕事に就いたおかげで、子どもを学校に通わせられるようになったんだ」。そう嬉しそうに語るのは、インド西部の街プネーでウェイストピッカー(ごみを回収する人)の仕事をするパンドゥランさん(35)。彼の生活を激変させたのは、プネーに拠点を置く協同組合SWaCHだった。

SWaCHは、約3000人のウェイストピッカーをとりまとめる団体。プネー市公社(PMC)と共同し、プネー市のごみの分別回収をウェイストピッカーと進めることで、インフォーマルセクターで不安定な生活を送ってきたウェイストピッカーが安定した収入を得られるようにしている。

パンドゥランさんがウェイストピッカーとしてSWaCHと契約したのは5月のこと。今まで主婦をしていた、パンドゥランさんの妻のマヤさん(30)とともにプネーのスラムで家庭ごみの分別回収をしている。仕事は朝5時に始まり、4つのバケツを積んだ手押し車で、スラムのごみを回収していく。パンドゥランさんが笛を吹くと、エリアの住民が一斉にごみを持ってきて、生ごみ(生理用品、食べかす、骨、爪、髪など)や乾いたごみ(アルミ、段ボール、紙など)などを慣れた手つきで分別していく。

夫婦の月収は1人約4200ルピー(約6700円)。その額は決して良くはないが、パンドゥランさんによると、PMCで事務員として働いていた時の2倍以上になったという。

パンドゥランさんは話す。「妻も働けるようになって、やっと上の子2人を学校に通わせられるようになった。生活はまだ厳しいけれど、仕事が休みの日曜日、2人で子どもたちの勉強をみてやる時間がなにより幸せだよ」