インド女子は“生産性”がない? 女児が中絶される悪しき慣習が続くワケ

数学を専攻するナムラタさん。両親は女子が大学院に行くことを全面的に応援してくれるという。将来の夢は、エンジニアになってバリバリ働くこと(プネー大学の女性センターで)

レイプされる女性が悪い?

首都ニューデリーで2012年にバスに乗っていた女子学生が集団レイプされた末、殺害された凄惨な事件は日本人の間でも記憶に新しい。2015年にビハール州で日本人女性が集団レイプにあう事件も起こり、インドは“レイプ大国”との印象が強まった。

ランキングサイト「WONDERLIST」によると、インドは世界で5番目にレイプが多い。被害者は年間3万4000人余り。インドでは女性をモノのように考え、特に下位カーストの女性には何をしても許されると考える人たちがいるようだ。ただレイプ被害者が世界で最も多いのは南アフリカ。以下、スウェーデン、米国、英国が続く。

インドでは2013年、強姦罪の最高刑が死刑に引き上げられた。しかし状況はそう変わらない。シュボンさんは「ミニスカートなど肌を露出する服を着る女性はとても少ない。レイプされる女性に責任があるという考えはやめるべき。加害者は全員死刑がふさわしい。裁判になっても、加害者が罰せられることは少ない。裁判に正義はなく無力感がある」と言う。

インド人の女性の地位を高めるにはどうすべきか。今回取材したインド人4人は全員「女性に教育と仕事を与えること。また家庭の中で両親が“男女平等の良い手本”になること」と声をそろえた。

インタビューに応じるプネー大学の大学院生。サンスクリット語を学ぶスレシさん(左)と、英語を専攻するジュボンさん。2人とも一人っ子だ。将来結婚したら「家事&育児に参加する!」とともに意思を表明(プネー大学の英語学部キャンパスで)

インタビューに応じるプネー大学の大学院生。サンスクリット語を学ぶスレシさん(左)と、英語を専攻するジュボンさん。2人とも一人っ子だ。将来結婚したら「家事&育児に参加する!」とともに意思を表明(プネー大学の英語学部キャンパスで)

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