アフリカを好きになって! Tokyo Africa Collection 2018 Summerが満席400人を動員

ガーナの衣装に身を包んで、ランウェイを歩くミス中央2017の鈴木康代さん

アフリカをテーマにしたファッションイベント「Tokyo Africa Collection 2018 Summer」が都内の浅草ヒューリックホールで開かれた。主催は、学生主体の有志団体Tokyo Africa Collection。代表を務める菅生零王さんは「アフリカのポップカルチャーを発信することで、アフリカに関心のない若い世代にも、アフリカを好きになってもらいたい」と語る。Tokyo Africa Collectionは、アフリカのそれぞれの国の特色を生かすことと、見た人が真似したくなるファッションを提案することを目指している。

今回が5回目となったTokyo Africa Collectionに駆け付けた観客数は満席の400人。とりわけ目玉であるファッションショーは、熱気と歓声に包まれ、大きな盛り上がりを見せた。

ファッションショーで披露された衣装はシエラレオネ、マダガスカル、ザンビア、カメルーン、南アフリカ、チュニジア、エチオピア、ガーナ、タンザニア、ルワンダの10カ国のもの。といっても現地のファッションをそのまま持ち込むのではなく、各国の伝統織物をベースに、日本の学生デザイナーが日本人好みにアレンジした。

西アフリカ・ガーナの衣装のデザインを担当した武蔵野美術大学3年の吉田美花さんは「自分らしさをさらに引き立てる」というガーナの女性が大切にする価値観に惹かれ、オファーを受けたという。ガーナのアシャンティ族の伝統工芸である「ケンテクロス」で作った羽織は、カラフルなのに主張しすぎないデザインで、着る人の魅力を引き出していた。

ガーナの衣装をまとい、ランウェイを歩いたのは、ミス中央大2017グランプリの鈴木康代さんだ。「以前はアフリカ=民族衣装のイメージをもっていた。だけどアフリカの女性もオシャレを楽しんでいることに気づいた。かわいい衣装が多くて欲しくなっちゃった」とキラキラした笑顔で話す。

ファッションショーを見た観客からは「衣装を買いたい」という問い合わせも入っているという。アフリカのかわいさや洗練された美しさを普及させようと、衣装の販売も見据えていると菅生さんは語る。「日本人が思い描くアフリカの魅力といえば、サファリとか民族衣装。これって日本で言うと、富士山とか着物のような伝統的なもの。もちろんこれも魅力的。でも僕が本当に伝えたいのはアフリカのポップカルチャー。ステレオタイプ的でないアフリカをもっと知ってほしい」

多くの日本人にとってアフリカはいまだに遠い国。「貧困、紛争、何もない」といったネガティブなイメージが根強い。それを覆そうと2016年1月から始まったTokyo Africa Collection。アフリカに渡航歴のある学生をはじめ、ミスコンや雑誌で活躍するモデルや、将来を期待されるデザイナーが協力し、“アフリカらしくないアフリカのファッションショー”として知名度を上げつつある。