おにぎりにまつわる写真を、インスタグラム・ツイッター・フェイスブックなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に投稿するだけで、途上国に給食を届けられる「おにぎりアクション」(主催:NPO法人TABLE FOR TWO International=TFT)が10月10日、始まった。期間は11月20日まで。1つの投稿につき、日産自動車や伊藤園といった協賛企業が5食分の給食費用を寄付するという仕組みになっている。
おにぎりアクションでは、おにぎりの写真に「#OnigiriAction」とつけてSNSまたはTFTの特設サイトに投稿するだけ。給食が届くのは、 ケニア、ウガンダ、ルワンダ、タンザニア、エチオピア、フィリピンの6カ国。
2015年に始まったおにぎりアクションは今回が4年目。写真の投稿数は2015年5488枚、16年10万枚、17年16万枚と右上がり。17年は、企業との協賛企画も含めて90万食を途上国に届けた。TFTは今回、100万食の大台を目指すとしている。
おにぎりアクションをきっかけに、途上国に興味をもった親子もいる。インスタグラマーのmomotamaさんと小学6年生の息子だ。momotamaさんは3年前から、息子が学習塾で食べる「顔を描いたおにぎり」を作っていた。その写真を自身のインスタグラムに投稿していたところ、TFTのスタッフから「おにぎりアクションに写真を使わせてほしい」との連絡がきた。momotamaさんがTFTやおにぎりアクションを知ったのはその時だ。息子に説明したところ、「なんでご飯が食べられない子がいるの?」「どんなものを食べているの?」と外の世界に目を向けるようになったという。
給食の効果は、途上国の子どもたちの栄養状況を改善させるだけではない。TFTの安東迪子代表理事によれば、学校に給食があることで、支援対象となった学校の就学率が20〜30%からほぼ100%に上がったという。貧しい地域では小学校に通わずに働く子どもも珍しくないからだ。
東アフリカ・ルワンダのバンダ村のジェラルドくんは18年、村で初めて大学へ進学した。現在26歳の彼はいったん小学校をやめ、働いていた。ところがバンダ村の小学校で給食が配られるようになったことを聞きつけ、復学したという経緯がある。