日本政府が主導してアフリカの発展について話し合う国際会議「第7回アフリカ開発会議」(TICAD 7)が8月30日午後、閉幕した。閉幕後に開かれた共同記者会見で安倍首相は「日本人とアフリカ人がともに未来を開き、発展する。これが日本のやり方だ」と述べ、過剰融資でアフリカ諸国を“借金漬け”にさせる中国政府との差別化を強調した。
安倍首相は「アフリカはともに成長するパートナー」であると述べ、今後3000人規模で、農業、海洋警備をはじめ、幅広い分野でアフリカの若い力、日本とアフリカの懸け橋になる人材に育成に力を入れると表明した。
日本政府は2013年に、アフリカの若者のための産業人材育成(ABEイニシアティブ)をスタート。これまでに1200人以上が日本の修士コースで研修し、日本企業でインターンを経験した。ABEイニシアティブの成果として安倍首相は、ケニア人が病院に行く習慣を作ったり、またルワンダに日本の避雷針を広めたりすることができたと話す。
また、中国政府によるアフリカ諸国の「借金漬け」問題については、公的債務管理のための研修や政策アドバイザーを派遣するなどして、アフリカ諸国の債務管理能力向上を支援していく考えを示した。
今回のTICADでは、民間企業の積極的な参加が注目を浴びた。公式サイドイベントとして開かれた「日本・アフリカビジネスEXPO(ビジネスEXPO)」では150以上の企業、団体が出展した。
「(前回のTICADと比べて)2倍を超える企業からの参加者があった。民間セクターからアフリカへ熱い視線が送られている。アフリカこそ成長のフロンティアだ」(安倍首相、8月30日の閉会式で)
次回のTICAD 8は3年後の2022年にアフリカで開催する。安倍首相は、「日本はこれからもTICADプロセスを力強くリードする。TICAD 8がさらなる飛躍を遂げたアフリカの地で開催されることを今から心待ちにしている」と述べた。