ケニアの性被害をなくすカギは「布ナプキン」の普及! 女性グループの事業化をHANDSが支援

布ナプキンの制作・販売を手がける女性グループの3人と原知里さん(ケニア西部のケリチョー郡)

ヤギ1頭分の節約!

HANDSが布ナプキンを普及させる理由は2つある。

1つは、使い捨てナプキンより安いからだ。

HANDSの調査によると、使い捨てナプキン(8枚入り1パックが84シリング=約80円)を買うには年間で1526シリング(約1440円)かかる。「ほとんどの家庭では家計を握るのは父親だ。生理用品の必要性に疎いため、捻出しようとしないのが現状だ」と原さんは語る。

これに対して布ナプキンは、使い捨てナプキンに比べて経済的だ。値段は、1年繰り返し使える3枚入り1パックで265シリング(約250円)。家庭に3人の少女がいれば、1年間で3783シリング(約3570円)の節約になる。この金額は、村で暮らす家族にとって財産となるヤギ1頭が買える金額に相当する。

もう1つの理由は、繰り返し洗って使用できるため、肌を清潔に保つことができることだ。

使い捨てナプキンを手に入れられないと、不衛生な古い布を代用する場合が多い。その結果、雑菌が体内に入り、健康を害するリスクが高くなる。

布ナプキンはまた、優れた機能も備える。ライナー(肌にあてるガーゼ)は、手軽に交換できる設計。少女でも取り外ししやすいよう配慮している。

パッド(ライナーを取り付けるナプキンの外側部分)には防水布を使い、漏れを防ぐ。また地元で手に入る色とりどりのアフリカ布を取り入れ、デザインにもこだわる。

女性グループが作る布ナプキンの数々。アフリカ布を使っているためカラフルだ

女性グループが作る布ナプキンの数々。アフリカ布を使っているためカラフルだ

布ナプキンを作る作業スペースに集まる女性グループのメンバーたち(ケニア西部のケリチョー郡)

布ナプキンを作る作業スペースに集まる女性グループのメンバーたち(ケニア西部のケリチョー郡)

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