教室建設の足がかりとして2020年5月、マラウイ南部のパロンベ県にある13の小学校で倉庫を建て終えた。完成した1つの倉庫の前で記念撮影する、建設作業に参加した小学生の保護者とCanDoの永岡代表理事(前列右)。永岡氏を含む日本人スタッフ3人は、新型コロナウイルスの影響で2020年4月に緊急帰国して以来、リモートでプロジェクトを進める
中退者をなくしたい
パロンベ県内の小学校の課題は、教室の数が圧倒的に少ないことだ。89の小学校に通う約14万人に必要なのは2526室。だが実際は3分の1の947室しかない。建物ももろく、壁のひび割れやレンガの抜け落ちが目立つ。そのため屋外での授業が日常茶飯事だという。
永岡氏によると、屋外の授業は「青空教室」のように牧歌的ではない。「雨期になると学校は休みばかり。低学年の子どもはとくに、1週間学校に通う習慣がつかないうちに来なくなる(中退する)」(永岡氏)
教室の過密さも問題だ。低学年だと、机やイスを入れるスペースすらなく、クラスメイトと肩をピッタリくっつけ、床に座って授業を受ける。すし詰め状態が嫌で学校に来なくなる子どもも多いという。
永岡氏は教室を増やすことで、小学生の中退を防ぎたいと語る。パロンベ県によると、2018年度の初等教育修了率は34.7%。学年が上がるごとに約20%ずつ子どもが減っていくという。
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