ウガンダのかばん職人の雇用を守る! リッチーエブリデイがコロナ禍で休業補償

仲本さんとウガンダ工房の職人たち。仲本さんは「コロナ禍でも仕事があることがリッチーエブリデイの職人にとって、仕事に対する大きなモチベーションになったようだ」と話す(ウガンダ・カンパラ)

ウガンダ発のファッションブランドRICCI EVERYDAY(リッチーエブリデイ、社名も同じ)の創業者、仲本千津さんはこのほど、NPO法人LunchTrip(ランチトリップ)が主催したオンラインイベントに登壇し、ウガンダの職人20人に休業補償を支給したと述べた。同社は、アフリカ布でバッグやインテリアアイテムを作る工房をウガンダの首都カンパラに構える。その工房をロックダウン中の1カ月間閉鎖。職人の雇用を守った理由について仲本さんは「せっかく育てた腕の良い職人を手放したくなかったから」と説明する。

リッチーエブリデイが休業期間の賃金を補償したのは、2020年4~6月の3カ月。休業した4月は1カ月分の給料を全員に、5~6月の2カ月は、公共交通機関のミニバスが運休したため通勤できない職人に対して払った。具体的には5月は有給休暇を取得してもらい、出勤した分の給料を補償。6月は給料の6割を支給した。

ロックダウンで休業命令が出た!

リッチーエブリデイが工房を閉鎖したのは、ウガンダ政府の新型コロナウイルスの感染防止対策を受けてのもの。ウガンダ政府は2020年の3月末から4月末まで、企業に対して営業停止を義務付けたからだ。

ウガンダ政府がロックダウンを始めたのは2020年3月31日。ウガンダ全土に夜7時~朝6時半の外出禁止令が出された。これに伴い、企業の営業停止は義務に。リッチーエブリデイのウガンダ工房も例外ではなかった。1カ月閉鎖した。

仲本さんによると、ロックダウンの内容は厳しく、教会は閉鎖、飲食店も営業禁止、公共交通機関のバスも運休となった。

この結果、ウガンダ人の多くが4月分の給料を受け取っていないという。仲本さんは「2020年4月のウガンダの所得税PAYE(Pay as you earn)の納税額が、前の年の4月と比べて80%も減ったと聞いた。PAYEが減ったということは人件費が払われていないことだ」と説明する。

多くのウガンダ人が仕事を失ったなか、「コロナ禍でも仕事があることがリッチーエブリデイの職人にとって、仕事に対する大きなモチベーションになったようだ」と仲本さんは話す。

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