関西在住のミャンマー人や日本人の有志約50人は7月11日、反軍政とアウンサンスーチー氏らの解放を訴えるデモ行進を実施した。大阪のホテルに勤務するヤンゴン出身のメイタンダさんは「ミャンマーでは今、軍の監視が厳しくてデモもできない。安全な日本に住んでいる私たちが声を上げて、ミャンマーで苦しんでいる人たちを勇気づけたい」と語る。
国民防衛隊に入りたい
「ミャンマーの軍事政権は」「認めない!認めない!」
「国民への攻撃を」「やめろ!やめろ!」
「拘束された住民を」「解放せよ!解放せよ!」
リーダーの掛け声にあわせて、声を上げるデモ隊。日本語、英語、ビルマ語の3カ国語で反軍政や拘束された人々の解放を訴える。
全員がマスクを着用し、三本指を掲げる。「国家統一政府(NUG)を支持する」「ミャンマーで保護する責任を(R2P)」と書かれたプラカードを掲げる人もいる。
デモ行進のルートは大阪市役所前を出発して、梅新東の交差点を西に曲がり、西梅田公園までの約2キロメートル。梅雨の中休み、気温33度のじめじめした中で1時間、シュプレヒコールを上げ続けた。
メイタンダさんは「ミャンマーの民主化を願う気持ちは在日ミャンマー人も変わらない。安全な日本に住む私たちがミャンマーの同士の代わりに声を上げなければならない」と力強く語る。
「自分にできることは、デモに参加したり、お金を集めたりすること。少ししかできないが、今できることに集中する」。こう話すのは、ヤンゴン出身で京都在住3年目のウィンさんだ。現在は整備士の専門学校に通い、来年は日本での就職を見据える。
ウィンさんが日本で勉強している間、友人たちはミャンマーで政府軍と戦っている。そう考えると歯がゆさも感じるという。
「(ミャンマーにいる)僕の友だちは『自分が死んでも未来のミャンマーのためになるのなら』と夢をすべてあきらめて、NUGが設立した国民防衛隊(PDF)に入隊した。今は、カレン族やカチン族などの少数民族の武装グループの基地で訓練を受けている。僕もミャンマーにいたらPDFに入っていただろう。みんなと一緒に戦えないのが悲しい」