ミャンマーの国旗と並んで、米国で1990年に作られたビルマ連邦国民連合という亡命政府の旗も掲げたデモ参加者ら
理由なく子どもが殺される
メイタンダさんは、日本人にもミャンマー人の苦しみをわかってほしいとこう訴える。
「ミャンマーではアウンサンスーチー氏の写真を携帯に保存しているだけで拘束され、殺される。子どもも理由もなく殺される。もし自分の子どもが容赦なく殺され、それに対して声も上げることができないとしたら、あなたはどうしますか」
ミャンマーでは2月1日のクーデター以来、市民への弾圧が続く。人権団体「政治犯支援協会(AAPP)」によると、7月10日時点で899人が国軍に殺されたという。今必要なのは国際的な圧力だと話すのは、デモの主催者で大阪の旅行会社で働くモモウさんだ。
「ミャンマーの民主主義をもう一度取り戻すには、日本人や日本政府の協力が必要。まずはNUG(2020年の選挙で大勝した国民民主連盟=NLDの議員などで構成される。NLDの党首がアウンサンスーチー氏)をミャンマーの正当な政府として認めてほしい」
日本の衆参両議会は6月、ミャンマー国軍に対して、民間人への虐殺行為の即時停止、拘束された人々の即時解放、民主政治への早期回復などを求める決議案を可決した。だが、日本政府はNUGをミャンマーの正当な政府としては認めていない。
モモウさんは「国軍は2020年の選挙に不正があったとしてクーデターを正当化する。だが笹川さん(笹川陽平日本財団会長)も渡邉さん(渡邉秀央日本ミャンマー協会会長)も2020年の選挙に不正はなかったと言っていた。なぜ国軍に対して批判の声を上げないのか」と落胆する。
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