アクセサリーを作るセブの専業主婦に収入を! NGOハロハロがオンラインで売る

NINDOTのアクセサリーを作るドゥムログ村の専業主婦たち。これまでは家にこもりがちだったが、一緒に作業することをきっかけに、家の外に出ておしゃべりや相談をしあうようになったという。「(彼女たちは)家以外に居場所ができたし、また社会参加することで自分の尊厳をもてるようになった」(ハロハロの成瀬事務局長)

フィリピンで活動する国際協力NGOハロハロ(本部:東京港区)は、セブ州タリサイ市ドゥムログ村に住む女性らと一緒に、地元の自然素材を使ったアクセサリーブランド「NINDOT」(ニンドット)を立ち上げ、オンラインショップで売り始めた。目的は、アクセサリーの制作を通し、専業主婦らが収入を得られるようサポートすることだ。

売り上げの3割を作り手に

NINDOTの主なラインナップは、ブレスレット(値段は250~2800円)、ピアス(同300~3300円)、チャーム(同1800円)など。いずれも貝殻や木、アバカ(マニラ麻)などの自然素材を使ったシンプルなデザインが特徴だ。タッセルピアスに使うアバカのひもはコーヒーなどで染める。販売価格の3割が作り手の女性にわたる。

アクセサリーの制作者はドゥムログ村に住む女性10人だ。ほとんどは専業主婦で、家事や育児などに追われて家にいる時間が長い。アクセサリー作りのスキルはもともともっていなかったという。

彼女らがアクセサリーの制作を始めたきっかけは、ドゥムログ村に日本人デザイナーが2014年にやって来たことだ。村人と一緒にアクセサリー作りができないかと相談をもちかけてきた。この活動にかかわりたい村人を対象に講習会を開き、日本人デザイナーが手がけるブランド「Feliz」の商品を受注生産し始めた。

ところがFelizは2019年に廃業。注文も入らなくなった。女性らはその後、「自分たちのオリジナルブランドを立ち上げたい」と話し合い、アクセサリーの制作グループ「MARS(ビサヤ語で「近所の仲良し」の意味)」を結成した。

MARSが発足した当初は、アクリルビーズなどを使い、ひとりひとりが好きなものを制作していた。だがこのクオリティでは日本で売ることは難しいとハロハロの成瀬悠事務局長は考えた。そこでハロハロの事業として、日本のブランディングデザイナーとドゥムログ村でアクセサリー制作の講習会を開き、フィリピンの自然素材を使ったエコを売りにするNINDOTを立ち上げ、2020年3月にオンラインショップでの販売を始めた。

アクセサリーを楽しそうに作るドゥムログ村の専業主婦

アクセサリーを楽しそうに作るドゥムログ村の専業主婦

1 2