【Yalla!女子大生のドバイ留学日記①】語学学校にはタイ人が一番いっぱい、なんでなの?

筆者が通う語学学校が入るビルの36階から見たドバイの街並み。金色や銀色に光る高層ビルがそびえる。建設中の高層ビルも多い

英語での講義が7割

タイ人の女子大生はフィルムさんだけではない。私のクラスメイトにもいる。フィルムさんより学年が1つ下で、5月に高校を出たばかりのベンさん(18)だ。北部のピサヌローク県出身。新学期が始まる8月から、バンコクにある名門タンマサート大学(国立)歯学部の1年生になる。

「どうして大学へ入る前に1カ月ほど留学しようと思ったの?」。私は聞いた。

「大学1~3年生の講義が英語70%、タイ語30%の割合だからよ。英語で学術書を読んだり、講義を聞いたり、プレゼンをしたりするから、今のうちに英語力を少しでも伸ばしたいと思ったの」とベンさん。

「へー! 高校を出たばかりなのに本当にすごい。やっぱり大学4~6年生になったら、英語での講義がもっと増えるの?」

「歯科医として実践形式の授業が中心になるみたい。バンコクにはドバイと同じようにたくさんの外国人がいるでしょ。だから、外国人相手に歯を治療するには、英語でのコミュニケーションが必須なんだ」

何年か後に、ベンさんが英語を駆使して歯科医として働く姿を私は見てみたいなと思った。大学卒業後はタイか外国か、どこで働くかは決めかねているという。

「留学先にドバイを選んだのは、もともと興味があったから?」

「いや違うよ。本当は母親の勧めでシンガポールへの留学を考えていたの。ただシンガポールは、ドバイに比べて学費が高いし、語学学校がコロナ禍で閉鎖中。シンガポールより近代的な感じでいいなと思って、ドバイに決めた」

「タイ人にとってドバイはどんな場所? 留学や就職で人気があるの?」

「仕事がここでもしみつかれば、ドバイは働くのに最高の場所よ。何らかの専門的なスキルをもっていると、より働きやすいと思う。建設中の高層ビルが多いドバイでは、土木建築の仕事の人は長く働くことができそう。ビザが取りやすいのもいい」

タイ人の間では、外国に行って勉強したり働いたりするのが人気だという。フィルムさんの話を聞いた時と同様、私との将来の描き方にどこかギャップを感じてしまう。

ゴールは「ドバイで働くこと」

タイ人に限らず、語学学校で出会う外国人と話しているうちに、「将来のスケール」がまるで違うことに私は気づいた。彼ら彼女らの中には、ドバイで仕事を見つけて働くことを目的に英語を勉強する人が多い。クラスメイトが「先生、明日は授業を休みます。仕事の面接があって」と欠席するのも日常茶飯事。学校が時々、英語での履歴書の書き方や面接の受け方の講座を開くほどだ。

働くということは帰国の時期を具体的に考えていないのかもしれない。私のクラスメイトたちはどれほどの覚悟と期待をもってドバイに来たのだろう。

コロナ禍にならなければ留学先として選ばなかったドバイ。1カ月が経ったとはいえ、まだ実態がつかみきれない不思議な場所だ。知られざる姿を少しずつ伝えていきたいと思う。(続く

タイ人の女子大生ベンさん(右)と筆者(左)。一緒に授業を受けている教室内で撮影

タイ人の女子大生ベンさん(右)と筆者(左)。一緒に授業を受けている教室内で撮影

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