バンコクで反政府デモ、「不敬罪廃止せよ」のポスターを破った警官に市民団体が怒り

国王の写真をバックに不敬罪(刑法112条)の廃止を訴える女性(7月3日、バンコクで撮影)

ガソリンの高騰に抗議する反政府デモが7月3日、タイのバンコク都庁前にあるランコンアンタウン広場であった。このデモには不敬罪の廃止を訴える団体も参加。「(不敬罪を定めた)刑法112条を廃止せよ」と書いたポスターを掲げた。(デモのようすを撮影した動画はこちら

デモを主催したのは、タクシン派の市民団体「反独裁民主戦線」。デモではトレードマークの赤い服を着て、議会の解散や憲法の改正を訴えた。

不敬罪の廃止を目指す別の市民団体は会場の横にテーブルを置き、不敬罪の廃止を求める署名を集めた。

あわただしくなったのはデモが始まって30分ほどたった午後4時半ごろ。「112条を廃止せよ」と書いたポスターを掲げる女性のところに警察が現れ、ポスターを破っていったのだ。それに怒った女性と警察は口論になった。

同じ団体の別の女性は「ポスターに不敬罪廃止と書いてあるからといって、警察がそれを破っていいはずがない」と憤る。

タイの不敬罪は、国王や女王またその後継者を侮辱したり、脅迫した者に対して最長15年の懲役刑を科す。議会の解散や王室の改革を求めるデモが盛んになった2020年以降、150人以上が不敬罪で起訴された。

タクシン派の「タイ貢献党」の熱狂的な支持団体といわれる反独裁民主戦線のメンバーたち。この日もステージの前を独占した

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バンコク都が臨時で出した簡易トイレ用バス。6月に就任したチャチャート・シッティパン新都知事は、安全にデモが行えるようバンコク内で7カ所を「デモ実施可能地域」に指定した。ランコンアン広場もそのひとつ

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