
ネットでどう変わる?
消えゆく文化がある一方で、新たに入ってくる文化もある。いわゆる近代化の波だ。
そのひとつがインターネットだ。マサイマラでは、ケニアの大手通信会社サファリコムが提供するWiFiでインターネットがつながる。通信状況はまだ不安定だが、大きな変化をもたらしていくことは間違いない。
ただ現実はスマートフォンをもつマサイマラのマサイ族は少なく、旧式の携帯電話(ガラケー)が主流だ。電気がまだ通っていないため、電力消費量の少ないガラケーが好まれる。電話の機能も使えることに加え、夜の明かりとしても重宝する。ガラケーの充電は、近所の人がもつ小型のソーラーパネルを貸し借りしてやりくりする。
ガラケーユーザーのナシパイさんは「ここでは電話が主流。だからネットがなくても、電話回線があれば困らないの。ただ、あなた(筆者)とつながるときに電話番号だけだと(番号が変わったときに)とても不便ね」と、フェイスブックやインスタグラムで簡単につながれるツールにあこがれを抱く。