ハリナシバチとハニーポット(蜜ツボ)。ハニーポットの中で熟成した蜜には、プロポリスが溶け込んでいる。「ハリナシバチのはちみつ」の呼び方は、マレーシアではMadu Kelulut(マドゥ・クルルッ)、インドネシアだとマドゥ・クルルッのまたはMadu Kelanceng(マドゥ・クランチェン)。マレー語で、マドゥははちみつ、クルルッはハリナシバチという意味(写真は上林さん提供)
はちみつなのに酸っぱい!?
ハリナシバチのはちみつには「酸っぱい味」もある。ハリナシバチのはちみつは糖度50~70%。一般的ははちみつの80%より低い。蜜林堂が扱うはちみつの中では特に「アカシアTb」は甘さが控えめで、酸味が強い。最初はツンとして、ほろ甘い後味がやってくる。
酸っぱさを生かした使い道が、炭酸水と混ぜたドリンクにすること。いまはやりのビネガードリンクを作るのも簡単だ。
嬉しいのは、ハリナシバチのはちみつは水に溶けやすい性質があること。理由は、水分も多いからだ。冬場も固まらないため、いつでもサラサラ感のあるはちみつとして使える。
ハリナシバチの巣である丸い袋状(ハニーポット)はまた、無数につながった「迷宮」のようなつくりになっている。熟成の過程でプロポリスが蜜に溶け込み、甘さ、渋み、酸味、深み、ミネラル感が変わっていく。
プロポリスはさらに、メラニン色素を壊す性質ももつ。九州大学などの共同研究で、ハリナシバチのプロポリスから、メラニンを阻害する抗酸化作用が明らかになった。上林さんは「ハリナシバチの性質を、食品だけではなく、化粧品をはじめとする美容系にも応用できるのではないか」と期待に胸を膨らませる。
ハリナシバチのはちみつにはほかにもさまざまな味がある。ブルーベリー(品名:百花蜜Gt)やパッションフルーツ(パッションフルーツWi)などだ。蜜林堂も11月25日ごろから順次売り出す予定。蜜林堂のオンラインショップはこちら。
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