【Yalla!女子大生のドバイ留学日記⑥】UAEは石油や富豪だけではない、大きなインド人街だ!

ドバイで私が通う語学学校があるビルで、ピザの箱を片手にエレベーターを待つ、デリバリーサービス「Careem(キャリーム)」のインド人配達員。制服もバイクも緑

石油、お金持ち、高い物価‥‥。日本で「アラブ首長国連邦(UAE)のドバイへ留学に行く」と私が誰かに言った時の反応はこんな感じ。UAEについてほとんど何も知らなかった私も例に漏れず同じイメージをもっていた。ただこのイメージは、5カ月の留学生活の中で「まるで大きなインド人街のよう」へと覆った。UAE人にはなかなか会えないのに、インド人にとはしょっちゅう会うからだ。(第1回から読む)

まさに縁の下の力持ち

UAEの人口の8割は外国人。この53%を占めるのがインド人だ。

バイクの配達員、工事現場の作業員、タクシーの運転手‥‥など「3K」(きつい・汚い・危険)の仕事に就く労働者が目立つ。インド人がUAEの経済を下支えしているといっても過言ではないと思う。

バイクの配達員だと、24時間どこに行っても車の間を縫ってバイクで走り回っている。夜は渋滞も結構ひどい。日中35~40度と厳しい暑さで汗水たらして働いていたり、束の間の休憩時間に芝生やベンチで寝転んでひと眠りしたりする姿を見るたびに私は「しっかり休めているのかな」と心配になる。

インド人の配達員と出会うのが、私が通う語学学校や暮らすアパートのエレベーター。最低でも1人は、ケンタッキーフライドチキンの袋やドミノピザの箱を両手に抱えて乗り込んでくる。ひっきりなしに注文が来るのだろう、スマホを片手にチャットや地図の画面を開いて、見るからに忙しそうだ。

ちなみにUAEにある大手のデリバリーサービス会社は4つある。制服とバイクの色が水色のデリバールー、オレンジ色のタラバット、緑色のキャリーム、黄色のヌーンだ。

デリバールーとタラバットは飲食系で、キャリームはタクシーやレンタカーの配車も担う。ヌーンは「UAE版アマゾン」に近い。遠目からでも私は、どこの会社なのかパッと見分けられるようになった。

トヨタのカムリやレクサスが走る

タクシーの運転手もインド人が多い。タクシーに乗ると「出身はどこ?」「日本だよ。あなたは?」「インドだよ」という会話がお決まりになっている。私が乗ったタクシーの運転手のひとりは「ドバイに出稼ぎに来てまだ1年くらい。暑すぎるのはネックだけれど良いところ。気に入っている」と話していた。

ドバイ道路交通局(RTA)のマークがついた公共のタクシーで使われる車はトヨタのセダン車、カムリだ。RTAのマークがついていない自家用車のようなタクシーは、トヨタの高級ブランドであるレクサス。「日本といえばやっぱり車だよね」と何人かのインド人の運転手に言われたこともある。

また、「NISSAN」と後ろに大きく書かれた、日産の白い中型トラックも多い。

UAEで一番北にあるラアス・アル・ハイマ首長国に行った際には、博物館の展示品のひとつに三洋電機のブラウン管テレビもあった。思わぬところで日本のプレゼンスを知ると、自分が日本人であることに誇りも感じる。

ドバイのデリバリーサービス「talabat(タラバット)」の配達員。制服もバイクもオレンジ

ドバイのデリバリーサービス「talabat(タラバット)」の配達員。制服もバイクもオレンジ

ドバイ道路交通局(RTA)のマークがついた公共タクシー。インド人の運転手が多い。屋根の色は赤や青、緑、オレンジなど。たまに走っているのを見かける屋根がピンクのタクシーは運転手が女性で、男性客だけでは乗れない

ドバイ道路交通局(RTA)のマークがついた公共タクシー。インド人の運転手が多い。屋根の色は赤や青、緑、オレンジなど。たまに走っているのを見かける屋根がピンクのタクシーは運転手が女性で、男性客だけでは乗れない

ドバイ観光の定番といわれる砂漠ツアー「デザートサファリ」で使われる車は、トヨタのランドクルーザー。写真は私が参加した時に乗ったもの。ちなみに運転手はムスリムのインド人男性で、乗り合わせた参加者はインド人の家族(1人はドバイの病院で働く女性医師)だった

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