アブダビ首長国にある観光客に人気のモスク。筆者はドバイの旧市街のスーク(市場)で買った、イスラム教の女性が身につけるスカーフとドレスを着ている
アザーンが山に反響
私のお気に入り2位は、UAE最北端のラアス・アル・ハイマ首長国(RAK)。ごつごつとした高い岩山に囲まれ、アブダビ首長国のような都会の雰囲気は皆無だ。
最近は、ジップラインというアクティビティが人気らしい。これは、身体をワイヤーロープで上から吊って、岩山の中を滑り降りるものだ。インスタグラムで流れる動画を見るとスリル満点。高所恐怖症ではない私でも「かなり勇気がいる」と思った。
RAKといえば、海も山も見渡せる要塞「ダイヤフォート」が有名だ。ドバイから直行のバスで来た私は、RAKでたまたま知り合いになったフランス人夫婦が運転するレンタカーで向かった。山を登る道中、子ヤギの群れを見かけたりニワトリの鳴き声が聞こえたりして「UAEにこんなにのどかな場所があったのか」と癒された。
ダイヤフォートからは時折、モスクから流れてくるアザーン(イスラム教のお祈りの呼びかけ)が山に反響する。ドバイ市内で当たり前のように耳にするものとは違って、荘厳さも感じる。大自然を満喫できるリゾート地ともいわれるため、次はホテルを探して泊まってみたい。
ちなみに、帰りのバスが来るまでの時間つぶしに入ったスーパーでは、手荷物持ち込み禁止ルールがあった。他の首長国にはなかったため私は驚いた。知らずにリュックを背負って店内に入っていたら、インド人の女性店員が「買い物が終わるまで預かるわ」。私は一瞬、万引きを疑われたかと冷や汗をかいた。