がんも治るタイ秘伝のお腹マッサージ!? ganas記者が体験してみた

チネイザンマッサージをするワラヨン・ツイタンパンさん。マッサージ歴は10年以上だ。チェンマイのマッサージ&リフレキソロジー施設「ラムラムーン」で撮影

お腹の状態で精神状態わかる

ワラヨンさんは筆者をベッドの上に寝かせると、神棚のブッダに向かって一礼。いよいよマッサージだ。

ワラヨンさんはまず、タイマッサージで身体全体をほぐしていく。その後、お腹にオイルを塗り、チネイザンを始める。臓器があるところに指を立て、少しずつ深く沈ませていく。そこで10~15秒ほど止める。

この力加減が絶妙だ。腹式呼吸でお腹が上がったり下がったりするなか、お腹に突き刺さった指が「痛い」と「気持ち良い」の間を行ったり来たりする。

お腹のマッサージは初めてで最初はこわばっていた筆者も、少しずつ身体がリラックス。それにあわせて指も深くめり込んでいくようだった。

「痛っ」

突然、下腹部を押されたときに痛みが走った。痛いということは、そこの内臓に悪い感情がたまっているということ。ワラヨンさんはこう言って笑った。

「ここは腎臓。ストレスや不安をため込むところよ。ちょっと心配事が多いんじゃない?」

マッサージ師は客の心理状態をも言い当ててしまうのか。私は熟練の技に感心しながら、ワラヨンさんがする肝臓のマッサージに耐えきれず、思わず叫んでしまった。

痛みと心地良さが交互に感じながら、1時間半のマッサージコースが終わった。いろんなマッサージを経験してきたが、こんなにお腹をかき回されたのは初めてだ。内臓が活性化され、身体全体が火照っている。マッサージを受ける前に比べて呼吸が深くなり、心なしか気持ちも落ち着いているようだ。

「うつ病や不眠症の人たちもチネイザンを受けた後は、ぐっすり眠れるようになるのよ」

ワラヨンさんはこう太鼓判を押す。

ラムラムーンで働くもう一人のマッサージ師、シリタニャラット・ケウディーさんもチネイザンの効果について「病気の80%は負の感情から生まれる。心が落ち着けば、病気も治癒できる。チネイザンを受けて、がん細胞の進行が止まったり、なくなったという事例もある」と話す。

ただ感情に変化が現れるのは、内臓が改善してから。チネイザンを受けるにしても1回だけでなく、数日置いて5回ほど受けるのがベストだという。内臓を通じて、心を治すチネイザン。タイの神秘がここにもあった。

足裏や身体、顔のツボを記したポスターや資格証明書が店の中に並ぶ

足裏や身体、顔のツボを記したポスターや資格証明書が店の中に並ぶ

チネイザンのテキストの中にあるイラスト。内臓の位置と一緒に感情を表す顔が描かれている

チネイザンのテキストの中にあるイラスト。内臓の位置と一緒に感情を表す顔が描かれている

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