世界最弱パスポートはアフガニスタン、英コンサル会社が23年版ランキング

世界最弱パスポートの国アフガニスタンの人たち(Wanman uthmaniyyah氏が撮影。Unsplashから引用)

英コンサルタント会社のヘンリー&パートナーズは1月10日ビザなしで渡航できる都市の数をベースにパスポートの強さを数値化した「ヘンリーパスポートインデックス」の2023年版を発表した。途上国最強のパスポートはマレーシアで、最弱はアフガニスタン。パスポートが弱い国が抱える問題についてヘンリー&パートナーズは「移動の自由がないだけでなく、経済成長の機会から締め出されている」と指摘する。

途上国トップ10はラ米諸国

ヘンリーパスポートインデックスは、国際航空協会(IATA)のデータをもとに199カ国のパスポートを比較したもの。到着時にビザが取得できる場合や、渡航前にウェブサイトで登録する「電子渡航認証」(eTA)の制度を利用するケースも、ビザなしで渡航できる都市の数に含まれる。

途上国トップ10には、ラテンアメリカ・カリブ海地域から8カ国が入った。

1位(全体では14位)はマレーシア。227都市のうち179都市にビザなしで入国できる。以下、チリ(18位、174都市)、アルゼンチン、ブラジル(いずれも20位、170都市)、メキシコ(25位、159都市)、セントビンセント・グレナディーン(30位、152都市)、コスタリカ(32位、150都市)、セントルシア(33位、147都市)、グレナダ、モーリシャス(いずれも34位、146都市)の順。

トップ10以外で注目の動きは、ラテンアメリカの複数の国にとって、英国へ渡航する際のビザが廃止されたこと。コロンビア(39位、133都市)、ペルー(38位、136都市)、ガイアナ(62位、88都市)だ。コロンビア初の左派政権を率いるペトロ大統領は「英国の決断に感謝する」とツイッターに投稿した。

ビザ免除に向けた交渉がコロンビアと英国の間で始まったのは、2代前のサントス元大統領(2016年のノーベル平和賞受賞者)の2期目(2014〜18年)から。半世紀以上にわたって戦ってきた左派ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」と和平合意を結んだのがきっかけだ。

ペトロ現大統領は、米国ともビザなしでの往来の実現に意欲的だ。コロンビアを2022年10月に訪れたブリンケン米国務長官に対してビザの撤廃を口頭で求めた。コロンビアの週刊誌セマナによると、コロンビア政府は今後、在米コロンビア大使館を通じてバイデン大統領に正式に要請する予定だという。

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