世界最弱パスポートはアフガニスタン、英コンサル会社が23年版ランキング

世界最弱パスポートの国アフガニスタンの人たち(Wanman uthmaniyyah氏が撮影。Unsplashから引用)

不法移民の流入で取り消しも

アジアの途上国でマレーシアに次ぐのは、インドネシアから2002年に独立した人口およそ130万人の東ティモール(58位、94都市)だ。リゾート地として有名なモルディブ(61位、89都市)、人口14億人超の中国(66位、80都市)を上回った。これを、タイ(68位、78都市)、インドネシア(75位、71都市)、フィリピン(78位、67都市)が追う。

中国を年内に抜き、世界最多の人口を擁することになるインドは85位。ビザなしで渡航できるのはスリランカ、ベトナム、エジプトなど(都市ベースでは59)だ。2023年1月1日からはセルビアに入国する際にビザが必要になったという。

セルビアがビザの免除を取り消すのは、インドからの不法移民が後を絶たないからだ。短期の滞在ではビザが要らなくなった2017年以降、欧州へ入国したいインド人にとって格好の玄関口となってきたのがセルビアだった。

今回の措置は、EUへの加盟を目指すセルビアがEUのビザ政策にあわせた形だ。西アフリカのギニアビサウ、北アフリカのチュニジア、東アフリカのブルンジに対してもビザの免除を取り消す。

アフリカ最強はセーシェル

2022年2月からロシアの侵攻を受けるウクライナは36位(144都市)。渡航できる国の数は侵攻前と変わらない。

ヘンリー&パートナーズによると、ロシアによるウクライナ侵攻の影響は今後、ランキングに反映されそうだ。欧州委員会は2022年3月、ウクライナ避難民に最長3年間、EU圏内に暮らしながら働く権利を認めた。ヘンリー&パートナーズは「過去10年で24位もランキングを上げたウクライナは、EUに加盟すればトップ10に食い込む可能性が高い」と指摘する。

アフリカで最強のパスポートをもつのは、東アフリカ沖に浮かぶセーシェル(29位、153都市)だ。これに続くのも島しょ国のモーリシャス(34位、146都市)。以下、南アフリカ(53位、106都市)、ボツワナ(63位、87都市)。ナミビア(67位、79都市)、69位レソト(77都市)など。

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