コロンビア第3の都市カリで生まれ、西部のペレイラで育ち、新天地を求 めてメデジンに大学進学したカミロ・アグデロさん(右)。左はパートナー のホルヘさん。日本語を流ちょうに話すアグデロさんはこの10月、15年間夢を見続けた日本へ初めて来る予定だ
差別のおかげで人生切り開く
だが、必ずしも全員が受け入れてくれるわけではなかった。現在のパートナーの両親は息子の同性愛を全く受け入れない。アグデロさんとの交際を、パートナーは両親に隠しているという。ところが、アグデロさんはそれに対して怒るのではなく「両親が自分たちの関係を受け入れられないのは彼ら自身の問題であって、自分たちが変わる必要はない」と話す。
アグデロさんは現在、日本とコロンビアを融合させたイラストを描いたり、メデジンにある日本文化センターのロゴをデザインするなど活動している。というのも、いじめられ、友人が誰もいなかったころから今までずっと日本のアニメにハマっているからだ。
「差別された時期がなかったら、デザイナーになれていなかったかもしれないね」。アグデロさんはこうはにかむ。
10年経ってアグデロさんにとって絵を描く意義は大きく変わった。幼いころは友人がいないから暇つぶしの一つでしかなかった。だが今や日本のアニメ業界で働くという夢を叶える手段。流ちょうな日本語を操るアグデロさんは今、誰もができない自分らしい人生を切り開いていこうとしている。
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