61歳のベネズエラ難民が語る! コロンビアの“元最恐スラム”で生き抜く術

コロンビアのメデジンで最も危険といわれた元スラム街「コムナ13」で商売するベネズエラ難民のグレーニスさん。コムナ13は斜面にあるため、グレーニスさんは商品を担いで毎日そこを上り下りする。坂を30〜40分ほど歩いてメデジンの街並みを一望できる場所に屋台の店を構える

口癖は「年は関係ない」

諦めずに苦難を乗り越えようとするグレーニスさんの背中を押し続けてくれるのが信仰だ。グレーニスさんには、お気に入りの聖書の一節(第1章第9節)がある。

「強く、また雄々しくあれ。あなたがどこへ行くにも、あなたの主が共におられるゆえ、恐れてはならない、おののいてはならない」

この言葉を実践し、61歳になったいまでも常に前を向くのがグレーニスさんだ。

グレーニスさんにはいま、2つの夢がある。1つは、自分と同じ境遇の難民・移民を勇気づける目的で、自分の体験を盛り込んだ啓発本を出版すること。本は書き始めたところだ。

「(本の中では)周りの環境のせいにするのではなく、またコロンビア政府やUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の支援を待つのでもなく、やる気をもって自分で動くことが大事だと伝えたい。環境が変わらないなら自分の中を変えればいい。そこに年齢は関係ない」と熱弁を振るう。

2つ目の夢は、革製品を販売する事業を立ち上げること。収入をもっと増やしたいからだ。

グレーニスさんにはまだ、ベネズエラに残るきょうだいがいる。めいが小学校を卒業したら、その一家はコムナ13へ避難してくる予定だ。グレーニスさんは「私はいま、娘の家族と一緒に4人で狭い部屋で暮らしているから、もっと広い部屋に移りたい。そのためにももっと稼がないと」と意欲を燃やす。

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