水上集落ガンビエでハジャゴン・フィナさんが共同経営するアートショップ「メゾン・アーティサナル・デ・ガンビエ」。ボートに乗って観光する外国人観光客が訪れる。というよりボートでしか来れない
アフリカ最大といわれる、ベナン南部のノコウエ湖に広がる水上集落ガンビエで、水上のアートショップを友人2人と一緒に営む女性がいる。ガンビエで生まれ育ったハジャゴン・フィナさん(43)だ。5児の母で、夫は漁師ということもあって稼がないといけない。彼女は、ノコウエ湖に自生する水草の茎からかごを作って売る。
ホテイアオイは侵食植物
ハジャゴンさんらの店の名は「メゾン・アーティサナル・デ・ガンビエ」(フランス語で「ガンビエの手工芸品の家」の意)。ハジャゴンさんはかごを、別の共同経営者はTシャツを、もう一人はビーズを使ったかばんをそれぞれ作って一緒の店で売っている。
かごの材料に使うのは、すみれ色の花を咲かせる水草ホテイアオイだ。ハジャゴンさんは週に3、4回、ノコウエ湖からホテイアオイの茎をとり、店の屋根の上で3週間ほど天日干しにする。
乾燥させたホテイアオイの茎を、今度は大きめの針を使って丁寧に編み込んでいく。かごや帽子、かばんを一つ作るのに丸3日かかるという。
ちなみにホテイアオイはノコウエ湖の湖面を絨毯のように侵食している植物だ。生物多様性を破壊するだけでなく、漁業にとっても邪魔で漁師にとっては悩みの種。こうした意味からもホテイアオイの活用は一石二鳥だ。
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