ベナンの伝統占い「ビジョン」の占い師のエケ・ラファエルさん。貝がら、木の実の殻などのアイテムを両手で混ぜて占う
口コミで海外からの客も獲得
ラフェエルさんが占いをする部屋は、多くの信者が訪れるブードゥー教の神様を祀る場所からほど近い。1日で占うのはおよそ15~20人。定休日はなく、頼まれればいつでも対応する。占いの料金は1回500CFAフラン(約100円)だ。かかる時間は相談内容によってすぐ終わる時と長くかかる場合がある。
占い師としての年間の収入はおよそ36万CFAフラン(約 7万2000円)。月平均にすると6000円ほどになる。ほかに自分の畑で人を雇って農作物を作っているので生活はまずまずだという。
外国人客も増えている。コロナ禍が落ち着いて観光客が戻るとベナン人だけでなく、外国人も占いにやってくるように。評判が口コミで広がり、フランス、日本、ドイツ、スペインなどからワッツアップ(ラインのようなアプリ)のビデオ通話で年間延べ100人を占うようになった。ラフェエルさん自身は現地語のアジャ語、フォン語、ミナ語とフランス語を話すが、他はそれぞれの言語を話せる友だちが助けるという。
占い師を始めて3年。客は徐々に増えてきたが、これからもっと増やしたいとラファエルさんは意欲的だ。
ちなみに、ビジョン占いは勉強すれば誰もができるわけではない。ブードゥー教のシェフの家系に生まれたラファエルさんは、生れながらにしてスピリチュアルの能力が備わっていた。ラファエルさんの5人の子どものうち3人にはその能力があるという。
「3人の子どもにもビジョンの占い師になって、人々の心の悩みや問題を助けてほしい」とラフェエルさんは語る。
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