軍政に抵抗してバンコクに逃れた元大学教員のミャンマー難民、母国の若者に数学を教えるのが生きがい

ミャンマー国軍に捕まりそうになったサヤーレオツさんは身の危険を感じ、バックパックひとつでミャンマーからバンコクに逃げてきた(サヤーレオツさんらミャンマー難民3人が身を寄せ合い暮らす部屋の中で撮影)

キャリアが崩れてしまう不安

サヤーレオツさんがバンコクに難民として逃れてきたのはなぜか。

転機は軍事クーデターだった。アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)が2020年の総選挙で圧勝した結果がひっくり返され、軍が権力を掌握。情報を統制し、言論の自由を剥奪した。その波は彼が勤めていた名門ヤンゴン大学にも押し寄せた。NLD政権下で認められていた大学の自治権も剥奪され、教育の質が担保できなくなってしまったのだ。

サヤーレオツさんは15年にわたって大学教員として教育に情熱を注いできた。CDMに参加すると自身のキャリアが崩れてしまうことに不安を感じたが、「民主主義を守るのはいましかない。チャンスは二度と来ない」と熱く語る。

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